2009年01月05日(月) |
せっかくガソリンが安くなったのに・・・ |
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今年に入ってはじめてガソリンスタンドに行った。オレが給油した価格はハイオク103円だった。レギュラーは95円で売られていた。レギュラーはとっくに100円割れしていて、もしかしたらハイオクまで100円割れというありえない価格にまで下がってきたのである。こんなに安かったことってあっただろうかとオレは昔を振り返った。
オレが学生時代に最初のマイカーとしていすゞジェミニを買ったとき、ジェミニにはディーゼル車があってかなり迷った。出たばかりのディーゼルの中古車はまずなかったので、その場合は新車を買わないといけない。そうすると100万以上はかかってしまう。一方中古車なら50万くらいで買える。結局オレは中古のジェミニを買って学生時代の2年間乗ることになるのだが、もしもそのときにディーゼル車を買っていたらきっとそのあとの自動車の買い替えサイクルがすっかりと変わっていただろうと思うのである。いや、そもそも走りを楽しむとはほど遠い動力性能のディーゼル車を「経済性重視」だけで選んでいたら、その後のカーライフが根底から揺らいでいたと思うのである。きっと今のオレの愛車は三菱FTOではなかったと思うのである。中古ジェミニをたった2年で乗り換えたからこそ、その後パルサーEXA、2代目日産EXA、三菱FTOというサイクルになったのである。
レギュラーガソリンが95円にまで下がった今、もしも遠くに旅行するとしたら高速道路を使わないかぎりかなり安く移動できることになる。東京大阪間は約550キロ、大阪から長野県の諏訪は400キロ、これを安くするために昔のオレはよく真夜中に車を走らせた。高速道路を走らないで一般国道を走るのである。大阪を深夜に出ても朝までには十分に諏訪に着くことができた。まだ就職したばかりでそれほど収入も多くなかったオレは、そうやってガソリン代だけで長距離移動するというパターンでいつも旅行していたのである。たとえ徹夜で運転しても、当時の体力なら2、3時間仮眠したら十分だった。
今、これほどガソリン代が安くなったからといって「自動車で旅行しようぜ」という風潮はまず生まれないだろう。高速代の方がガソリン代よりもかなり高いし、若者の多くはクルマを捨てて他のものを買うようになった。かつての若者にとっての必需品であった「デートカー」はもはや存在せず、クルマで何日もかけて旅行するなんて余裕もまたなくなったのである。そんなに長期間は休めない。昔の自分が夏や冬の長期休暇にクルマで長期間の旅行に出かけたことが本当に夢のようである。もっともそれは結婚して子どもができて、旅行といっても一人旅ではない分かなりのゼニがかかってしまうようになったという理由もあるわけだが。
麻生首相が「高速道路を均一料金に」という無茶な公約をしたが、ガソリン代がこんなに下がってもその結果としてクルマで旅行する人が増えていないということを思えば、高速代の値引きが旅行を増やすとも思えないのである。旅行をするにはゼニと時間が必要だ。いくら高速代が安くなったとしても、その先にあるホテルや旅館はきっと高くつくだろうし、その旅行をするために休みを簡単に取れるわけでもないからだ。
「せっかくこんなにガソリンが安くなったのに、それを享受する者たちがいない・・・」
というのが今の状況なんだろう。政府は住宅ローン減税を拡大したりして消費拡大に躍起となっているわけだが、その減税が功を奏して住宅に対する需要が回復するとはオレには思えない。すでに土地や住宅価格はどんどん下がっていて、焦って買わなくてもこれから値下がりするからという状態である。今は運転資金の融資を受けて乗り切っても、その借金はいつかは返さないといけないわけで、家やマンションが売れなかったらその借金も返せない。
資本主義経済というのは好況と不況を繰り返す。景気が循環することはこのような経済システムの宿命である。現政権が巨額の財政出動で不況を乗り切ろうとしてることはわかるのだが、そうやって作った借金の負担を減らすためにはインフレを発生させるしかない。2011年に予定された消費税の値上げはその布石かも知れない。
いろんなものがせっかく安くなっても、それを享受できないほど窮乏した大衆がいるわけで、これから先いったいどうなっていくのだろうかとオレは思うのである。こんな円高になってしまって、日本はどう乗り切っていくのだろうかと。
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