2008年11月26日(水) |
マンションから変なヤツを追い出せるのか? |
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高いゼニを払って購入したマンションの隣人が変なヤツだったらどうすればいいのか。これは集合住宅を購入する場合の永遠のテーマである。一戸建てならまだ隣家との距離があるので何とかなる場合でも、マンションでは壁一つしか隔てるモノがないために騒音などの問題はやはり気になるのである。騒音にしても日常生活の中で自然発生的なものなら仕方ない。存在そのものが迷惑なヤツがいればどうしたらいいのか。その極端な例がここにある。
迷惑入居者の立ち退き認定 マンション管理組合が勝訴 仙台 2008.11.25 23:12
ベランダから瓶を落とし、夜間にほかの部屋のチャイムを鳴らし続けるなど苦情が絶えないマンション入居者の男性の立ち退きを求め、管理組合が男性の区分所有権の競売などを求めた訴訟の判決で、仙台地裁は25日、請求を認めた。
伊沢文子裁判官は「ほかの入居者の平穏な生活を妨害したほか、マンションの価値や評判をも下げる行為」とした上で「区分所有権の剥奪(はくだつ)になるので慎重に判断すべきだが、共同生活上の障害を回避するために、ほかに相当の方法があるとはいえず、競売請求を認めることはやむを得ない」と述べた。
判決によると、男性は仙台市若林区のマンションで、ほかの入居者の玄関を多数回け飛ばすなどし、管理費なども滞納。平成18年には注意した管理者に暴力を振るった上、自室に女性を連れ込み、わいせつ行為をしたとして傷害罪などで起訴され、実刑判決を受けて現在服役中。
他の部屋のドアを蹴飛ばすとか、管理費を滞納するとか、管理者に暴力をふるうとかいう行為があるならば、退去勧告するに十分な理由だろう。それから上記記事にあるのはおそらく「いやがる女性を無理に部屋に連れ込んでわいせつな行為を行おうとした」ことであり、それなら実刑判決を受けるのも当然だ。服役中ならもちろん管理費を払うこともできないわけでずっと滞納は続くのである。
このマンションを売り飛ばしてしまえば、出所してきたこの男に帰る場所はなくなる。しかしマンションの他の住人にしてみればこんなヤツは帰ってきて欲しくないわけで、できることなら地上から消え去って欲しいと思っているだろう。ところが日本の現在の法律には「所払い」という罰則は存在せず、「二度とここに来るな!」ということを強制することはできないのである。区分所有権を剥奪するというのは残酷な処分かも知れない。しかし「まともな社会生活が営めない馬鹿」が同じマンションに住んでいることの住人たちの苦痛を思えば、一つ間違えば多数決によるいじめにもなりかねないこの「区分所有権の剥奪」も仕方のないことのように思えるのである。他の住民はそれまで迷惑を掛けられながらも必死で方法を模索していたのだろう。そしてついにこれしかないという答えとしてたどり着いたのが「区分所有権を剥奪」ということだったのだろう。
マンションの中に暴力団組事務所ができた場合に、住人が団結してその暴力団どもを追い出したという事例もないわけではない。ただその場合も一朝一夕にはいかず、かなり長い期間の粘り強い戦いの成果だったとオレは記憶しているのである。
マンションから追い出された変なヤツはどこに行けばいいのか。いや、マンションだけでなく職場や学校やあらゆる集団からはじき出されたチョー変なヤツはどうやって生きていけばいいのか。親のスネをかじるしかないのか。親が死んでしまったらどうやって生きるのか。生活保護を受けるしかないのか。変なヤツにも「生存権」というものはある。最終的な受け皿は結局そこしかないのだろうか。
変なヤツであっても、それを支えてくれるちゃんとした配偶者を得たり、あるいは教育の中でその変な部分が徐々に矯正されて性格が穏やかになってということも現実には多いだろう。若い頃は無鉄砲でむちゃくちゃしていた人間が、年を取ると落ちつくという事例もいくらでもある。
>「ほかの入居者の平穏な生活を妨害したほか、マンションの価値や評判をも下げる行為」
伊沢文子裁判官のこのコメントの後半部分が他の住民にとってはやはり大事なんだろう。そのマンションを転売するときに、「実はこんな変なヤツが住んでいてみんな困ってるんです」という情報があれば転売もうまくいかないし、マンション自体の価値も大きく下がってしまう。そう思えば上記記事のこの変なヤツを団結して排除した住民たちがなぜ必死になったのか意味がわかるだろう。単なる日常生活妨害ではなく、自分たちの大切な資産を毀損する不倶戴天の敵として、この迷惑野郎はとらえられていたのだろう。そんなヤツに帰る家などいらない。日本に滞在する必要もない。てめえなんぞどこかよその国にでも行ってしまえ。
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