2008年02月17日(日) |
小麦価格の謎について大胆に憶測する! |
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ブログランキングの投票いつもありがとうございます。1位が目標ですのでよろしくお願いします。大人の物欲写真日記もよろしく。今日は衝撃のニュースがあります!
昨日オレはこの日記で、小麦価格が30%上昇することについて書いた。ただそこでその流通の仕組みについて触れなかった。それは、昨日そのことについて書いてしまうとテーマが分散してしまうからである。昨日は「お好み焼きが上がる」という個人的なテーマに絞って書いたのである。今日はもっとグローバルな視点から書いてみよう。
その前に、なぜ小麦は政府が輸入したものを商社に売り渡すという複雑な流通の仕組みを取っているのかということについて考えてみたい。これは国内農家を保護するために、安い外国産のものを無秩序に流通させないという配慮なのだ。国内農家から高く買い上げたものと、外国から輸入したものを平均して売り渡し価格を決定しているわけで、安く輸入した分を商社に高く売り渡す利益は、そのまま国内農家に還元されているような仕組みなのである。
このようなカラクリはたとえば食肉業界などにも存在する。安い輸入肉の利益は国内の食肉業者のところにちゃんと配分されるようになってるわけで、自由化されて海外のものが安く供給されるのではなく、その利益はちゃんと輸入によって影響のある業界へ環流する仕組みになっているのだ。
海外の小麦の取引相場は60%も上昇してるのだという。確かめてみると確かに大きく上昇している。輸入価格が上昇してるというのは真実なのだろう。ただその場合、国内産との価格差がなくなるか、あるいは逆転するということは起きないのだろうか。その程度では解消しきれないほどに内外価格差が存在するのだろうか。
そもそも政府の輸入価格というのは妥当なのだろうか。ビジネスとして安く買おうとする商社マンと違って、官僚はコストのことなどあまり考えてないような気がするのだ。そこでうまくやったところで自分の給料が上がるわけでもない。努力がなんの意味も持たない以上価格交渉なんてやるのは面倒くさいわけで、そこで国民にすこしでも安い食を供給したいなんて殊勝なお役人がたくさんいるとはとうてい思えない。インド洋で給油するための石油は、ブッシュの息が掛かったところで市価の3倍で買わされていたほど馬鹿、いや気前の良い日本政府である。小麦だってきっと高く買ってるに決まってるのである。国民の食を守るなんて意識は全く存在しないのである。
今回の毒ギョウザ事件は我々に一つの教訓を与えた。つまり、「輸入品は基本的に信じてはいけない」ということである。高くても信頼できる国産品を買おうという動機を与えるのにかなりの効果があったはずなのだ。なぜ政府はそれを利用しないのか。今回の事件は国内農家にやる気を出させるためにかなり大きなきっかけになるはずだ。なぜ政府は何も語らず無策なのか。なぜここで中国の顔色ばかりうかがってるのか。
徳島県で店内消毒用のジクロルボスがギョウザの外袋に付着したということを受けて、中国では「原因は日本側にある」「事件は解決した」という世論が盛り上がっているという。あの天洋食品社長の「我々はむしろ被害者」というコメントには大いにあきれたが、おそらく無責任が服を着ているようなあの国のことだからきっと本気でそう思ってるのだろう。ここで日本政府が鑑定結果を持ち出して「あくまで責任は中国」と主張しても無駄なのである。それよりも今回のことを貸しにして、あの無責任国家を譲歩させるような外交交渉の道具にすべきなのかも知れない。
小麦価格の上昇はアメリカの国策である。石油価格の上昇によってオイルマネーが巨大な力を持ったことに気づいたアメリカ政府は、自国の主力商品である穀物価格を上昇させてゼニを手に入れようとしてるのだ。おそらく先物相場をどんどんつり上げて高値を演出しようとしてるのだろう。その結果アフリカでどれだけ餓死者が出ても連中は全く気にしない。アフリカの多くの国が食料の輸入国になってしまい、食糧自給率が下がったのは植民地支配した欧州各国の責任である。イギリスやフランスなどの欧州諸国にはアフリカを飢えさせないという義務があるはずだ。かつて大量の奴隷を輸入することでアフリカの地域社会を崩壊させたアメリカにも責任はある。
アメリカのこの世界戦略に対抗するには、アジアの諸国が米を主食とする経済圏を構築して立ち向かうしかない。「我々にはコメがある!」を旗印にしてアジアが団結することだ。その中でもっともうまいコメを生産できるということで日本が頂点に君臨し、コメとの兌換紙幣「米券」を変動相場制で発行し、世界で米を食べる人口比率を拡大させて小麦支配に対抗するのがいい。単位面積あたりの収穫量で米は小麦を遙かにしのぐ。
小麦の30%の値上げをあっさりと商社が飲み込んだとして、最終的にそれを負担させられる消費者は食べる量を減らす程度の防衛策しかない。カロリー取りすぎの肥満者は喰うのをやめろとか言うと叱られそうだが、基本的に日本はまだ飽食である。国によって管理されてる今の状況に反旗を翻して、「もっと安く輸入できるはずだ!」と言う主張が商社の側から出てくることを期待したいが、高度成長の頃と違って今の商社マンはみんな牙を抜かれたおとなしい連中ばかりなんだろう。唯々諾々と政府の方針に追随するしかなく、下手に文句を言えばどんなしっぺ返しがあるかわからないという状況なんだろうとオレは憶測する。
「こんな高い小麦は買えない!」
「明日からは日本人は米を食う!」
などと宣言して小麦を暴落させるような気概のある政治家は出ないのか。小麦を輸出する側も、日本という優良市場を失いたくはないはずである。
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