2007年12月22日(土) |
変な切符で収入アップだ! |
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地方の私鉄や第三セクターのローカル線の鉄道はどこも経営が大変だ。銚子鉄道みたいに煎餅を売って点検の費用をなんとか捻出したりするところもあるが、基本的にどこも赤字なのである。オレは鉄道の赤字の責任はすべて地元にあるといつも思っている。赤字でないようにするならみんなで乗ればいいのである。ろくに乗りもしないでふだんはクルマばかり使ってる人間が「廃止反対」を叫んでも何の説得力もないのである。赤字ローカル線の営業を維持するために国が税金で補助することを求める連中もいるが、そもそもローカル線の維持経費なんて知れてるのである。それでも赤字になるのははっきり言って利用者がいないからだ。通勤通学の時間帯以外は空気を運んでるような路線が黒字になるわけがないし、利用者がなければ増発しても意味がない。
オレは以前にこの日記でも書いたが、絶対にローカル線を廃止して欲しくないのならば、それこそ利用ノルマをもうけて、住民は必ず月に4回以上利用しないといけないなどと決めてしまい、その切符を前売りで買わせ、もしも利用しなくても払い戻しができないような仕組みにする・・・つまり一定額の売り上げを確保してしまうという方法が考えられる。売れない劇団が劇団員にチケットを無理矢理買わせるように、赤字ローカル線は住民に切符を無理矢理買わせるという方式だ。
あとは遠方の方に切符を買ってもらうという方法がある。昔北海道の広尾線に「幸福」という駅があったとき、愛国駅から幸福駅行きの切符が話題になった。縁起のいい名前の駅名であればそうして切符販売で儲かるわけだ。だったらいっそのこと駅名をどんどん改名して、それでマニアな人や縁起を担ぐ人に買ってもらうという方法もある。たとえば「天国」とか「極楽浄土」という駅名ならば、臨終間近の高齢者が争ってその入場券を買うだろう。「受験」駅と「合格」駅を作れば「受験→合格」という切符がじゃんじゃん売れるはずだ。あと「大穴」駅は競馬ファンに売れるだろうし「玉の輿」駅を作れば結婚願望の強い独身女性に売れるだろう。「ゆりかご」駅と「墓場」駅を作れば「ゆりかご→墓場」という切符を作ることができる。それもまたなかなか面白そうである。「モテモテ」駅とか「千人斬り」駅とか「加藤鷹」駅とかを作れば意外と人気が出るかも知れない。ここには詳しく書けないが、卑猥な名称の駅を作れば絶対に切符が売れる。しかし、それはかなりの批判を浴びるだろう。
ところが、オレのそんな想像をはるかにこえた面白い切符があったのだ。以下、アサヒコムの記事を引用したい。
湯飲み型の切符を発売 22日に限定500個 伊賀鉄道 2007年12月21日19時54分
近鉄伊賀線の運行を引き継いで10月に開業した三重県伊賀市の第三セクター・伊賀鉄道が22日、駅構内などで開かれるクリスマスイベントに合わせて、湯飲みの形をした伊賀焼の記念切符を500個限定で発売する。
開業時に定期券ぐらいの大きさの陶製記念切符を販売したところ、鉄道ファンらが殺到。追加分を含め約800枚が完売した。今回は湯飲みという奇抜なデザインだ。
上野市―伊賀神戸間の往復乗車券として利用でき、湯飲みの側面に改札印も押してもらえる。普通運賃と同じ700円で、22日午前9時から両駅で発売する。伊賀焼の切符は今後、シリーズ化する予定で、受験シーズンに合わせて絵馬型にする案も出ている。
当日は電飾で車内を彩ったイルミネーション列車でのライブなどの企画もある。問い合わせは伊賀鉄道(0595・21・0863)へ。
まさか切符の形で攻めてくるとは思わなかったぜ。それも陶製とは驚きである。切符は紙でできているという常識を打ち破ってきたのである。こんなのがありだったら「食べられる切符」なんかはどうだ。有明海周辺は特産の海苔でできた切符はどうだろう。富山県ならスルメイカの切符だ。草加煎餅の切符というのもできそうだ。ただ、こういう食べられる切符の場合、降りる前にうっかり食べてしまうという事態が発生するかも知れない。ちゃんと切符に「降りるまで決して食べないでください」と注意書きを書いておかないといけないわけだが、うっかり食べてしまう子どももいるだろう。
缶コーヒーの缶が切符になってるというのも面白そうだ。どうせなら降りるまでに飲み干すという仕組みにして、降りるときにその空き缶を回収するようにするとか。そんな仕組みなら記念の持ち帰りができないわけだが、どうしても持ち帰りたい人にはもう一本買わせればそれだけ売り上げが増えるのである。一本でも多く売れた方がそれだけ利益は増えるわけだ。
もっとマニアックな切符というと、フィギュアとかガンダムの模型とかを想像してしまうがそれはあまりにもマニアすぎる。CDやDVDの形になっていて、パソコンで再生できる映像がついているというのは面白いかも知れない。運転席から撮影した沿線風景が往復入ってるというDVDならかなり人気が出そうだ。音や映像の出る記念切符というのは、それがおまけについてるモノは過去にはあったかも知れないが、切符自体がCDやDVDの形をしているモノというのはなかったような気がする。
素材も陶製があるのなら石や木、布、金属製などなんでもできそうだ。いっそのこと金(GOLD)でできた一枚5万円くらいの切符を出してみればどうだ。そんな変なモノでもきっと集めたいと思うマニアがいて、数量限定なら必ず完売するだろう。
ただ、そうした面白切符の場合自動改札は通れないわけで、そんなのを発行するのが可能なのは自動改札とは全く縁のない地方ローカルの鉄道ということになる。どうせなら自動改札を通過できる形のマニアックな切符を出してくれると面白いのだが。スイカやイコカなどのシステムが今後どのように発展していくのか、オレは興味を持って見守ってるのである。
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