江草 乗の言いたい放題
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2007年12月20日(木) 酒を飲んで人をはねたら死刑です!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 我が国の交通事故の量刑は軽い。確かに交通事故には不可抗力のものもある。過失がなくても人をはねてしまう場合もある。オレも過去に何度か目の前に子どもが飛び出してきて冷や汗をかいた記憶がある、そういう場合はきちっと「事故の責任はなかった」と判定して欲しいのだが、飲酒運転だけは別だ。酔っぱらいが運転してるというただそれだけでクルマはもう走る凶器、殺人マシーンなのである。だからこのような判決が下る。読売新聞のWEBサイトから引用しよう。

尼崎3人死亡で過去最長の量刑、危険運転致死に懲役23年

 兵庫県尼崎市で6月、酒を飲んでワゴン車を運転し、歩行者や衝突したタクシーの乗客ら計3人を死亡させたとして、危険運転致死罪に問われた大阪府豊中市、建設作業員宮田和弘被告(50)の判決が19日、神戸地裁尼崎支部であった。
 渡辺壮裁判長は「泥酔状態で異常運転を繰り返し、高速で走る車を凶器とした危険で無謀な犯行で、身勝手極まりない」として、懲役23年(求刑・懲役30年)を言い渡した。最高裁によると、交通事故を巡る刑事裁判ではこれまでで最も重い量刑という。
 判決によると、宮田被告は6月23日午後9時半ごろ、尼崎市南塚口町の県道でワゴン車を飲酒運転し、歩行中の井上和俊さん(当時29歳)をはねて死亡させ、さらに約800メートル南で対向のタクシーと衝突、運転手の岩田浩一さん(同48歳)と乗客の松村美津子さん(同68歳)を死亡させた。
 判決で、渡辺裁判長は「この2年間、ためらいなく飲酒運転を反復していた」と指摘。「3人もの尊い命を奪った刑事責任は甚だ重大。飲酒の上での危険運転による事故について、国民の法意識は、かつてに比べて相当の厳罰を是認するようになっている」と述べた。
(2007年12月19日21時48分 読売新聞)


 この裁判官の発言はしごくまともである。ただ、懲役30年からかなり割り引いたこの判決には納得いかない。なぜ満額回答しなかったのか。交通事故の場合は加害者がどんなに悪質であっても死刑にはできないそうである。それゆえ交通事故に擬装された殺人事件がかなりありそうな気がするのだ。

 さて、飲酒運転と言えばやはりあの福岡県の事故だ。海中に沈んだクルマの中から必死で運び出した3人の我が子を失った母親の嘆きを思えば、追突した上に逃亡、水を大量に飲んで飲酒をごまかそうとしたクソ野郎は死刑以外考えられないのだが、交通事故なので最高刑は危険運転致死傷罪の30年ということになるわけだ。しかし、どうもこの罪を適用しにくい状況らしいのである。弁護団の主張は「酔ってはいたが、正常に運転できないような状態ではなかったから危険運転致死罪を適用するのは重すぎる」ということらしい。ふざけるな!と言いたくなるぜ。正常に運転すると言うことは事故を起こさないことだ。他のクルマに衝突した時点ですでに正常に運転できていないのである。酒も飲んでないのに正常に運転できないのは運転が極端にへたくそな場合というのも考えられるが、酒を飲んでいて正常に運転できない場合、原因は酒以外に何があるだろうか。他のクルマに高速で追突して橋から転落させたのに、その場から逃亡した後友人に電話をかけて工作を依頼したという周到さに対して「その時点で十分正常に行動できるから酔っていないのと同じ」ということなのだろうか。オレが遺族の側で、被告側弁護士がこんな主張をし始めたら、オレは怒り狂って椅子を振り回し、その弁護士どもを全員なぎ倒すだろう。酔っていないのなら事故など起きない。事故の原因は酒を飲んでいたこと以外に何があるだろうか。

 オレは交通事故というのは結果責任の世界だと思う。酒を飲んでいる人間が全員事故を起こすわけではない。事故を起こさなかったらバレないのが事実だ。しかし、ひとたび事故を起こしてそれによって人が死んだり傷ついたりすれば、それなりの罰を与えるべきだと思う。オレが無罪にしてもいいと思うのは不可抗力の事故、つまり子どもがボールを追いかけて車道に飛び出してきたとか、高速道路で逆走車にぶつかられたとかである。そういう事故というのは本人がいくら注意して慎重に運転していても逃れることはできないからだ。ところがそれ以外の事故、つまり大きな過失があって結果的に発生してしまったような事故はきちっと責任をとらせるべきだ。その大きな過失とは、スピードの出し過ぎや飲酒運転、居眠り運転などである。クルマを運転するときに寝るなんてもってのほかである。眠かったら手にナイフを刺してその痛みで覚醒するくらいの根性がないヤツは、眠いときは家で寝るべきである。まかりまちがってもクルマに乗ってはならない。

 せっかく作った危険運転致死傷罪なんだが、適用条件がかなり厳しくて実際にその罪で処罰される人は年間300名程度、交通事故の総数から見ればきわめてわずかな数字である。なぜそういうことになったのだろうか。検察側にかなり厳しい立証義務が課せられているからである。ただオレは思うのだが、冤罪の心配がない以上この法律は死者が出た事故のほとんどに適用すべきだと思う。認知症の老人が事故を起こした場合は家族にこの罪を適用するのもありかと思う。つまり、そんな危険な人にクルマを運転させたという時点で「危険運転致死傷未遂」ということになり、事故を起こせば即「危険運転致死傷罪」となるわけだ。飲酒の立証義務だなんて「酒を飲んだ」だけで十分だ。この加害者のクソガキは「酔っていても正常な運転はできた」と強調したいのだろう。だったら事故なんか起こすなよボケ。正常な運転ができないから事故を起こしたのじゃないか。そんなこともわからないほどの馬鹿に免許を与えた福岡県公安委員会は、3児を一気に失った親たちから賠償金を請求されてもおかしくないとオレは思う。クソガキからはろくに賠償なんかとれそうもないからなあ。

 幼稚園に通う子どもの集団の中に暴走してつっこんだり、横断歩道を渡る人々を信号無視してなぎ倒したりという交通事故に対して「公正でまともな処罰」を行うためにこの「危険運転致死傷罪」という法律は設置された。そんな事故を「過失」で片づけるのはあまりにも被害者感情を無視した行為だからだ。それなのにその趣旨を忘れて、口のうまい卑怯な弁護士が依頼者の利益を最大限守って高額報酬を引き出すためにこの法律の適用条件を狭めようとしてきても、裁判官は正しい見識と裁判官としての良識を持って外道には外道にふさわしい罰を与えるべきである。そこで正義を実行しないでいったい誰がこの世で正義を貫けるのか。事実として「人が無惨にも殺された」ということを忘れないでもらいたい。

 オレは福岡の事件の裁判の行く末を見守っている。あんなド外道が「懲役5年」程度の罰で許されるのなら、交通事故の裁判なんてみんなクソだ。福岡地裁が事件を取り扱うエリア内の事故なら罰が軽いということになれば、質が悪くて事故ばかり起こしてるクソドライバーたちは「おお、おれにぴったりの土地だ!」と喜んで、きっと大挙してやってくるだろう。福岡県のドライバーたちはこぞってこの事件の厳罰化を求めるべきである。


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