2007年12月19日(水) |
いま受験生である君たちへ |
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この暴言コラムを読んでいるのはほとんどが会社で休憩時間や仕事中に見ているサラリーマンか家庭の主婦、そして暇な大学生だと思うので、このようなメッセージを書いても読者の中で関係するのはほんのわずかだと思うのだが、普段思ってることをオレは伝えたい。これは今受験生である高校生の諸君へのメッセージだが、社会に関することでオレが日頃感じてることでもあるので、高校生ではない人たちも是非読んで欲しい。
はっきり言おう。今の日本の社会の現実は正義なんて空しくなるようなことばかりだ。高級官僚と呼ばれる連中や政治家どもは自分たちの利益のことしか考えていないし、大企業のトップも同様だ。経団連の会長の御手洗もいかにして安く労働者をこき使って自社の利益を増やすことしか考えていない。ゼニもあって社会を動かす力のある立派な人たちが、中身は全然立派ではないのだ。そんな情けない状況なのが今の日本の社会の現実なのだ。そんな世の中に生まれてきた君たちはもしかしたらかなり不幸なのかも知れない。
しかし、少なくともこの現実に立ち向かって君たちは自分の人生を切り開いていかないといけない。これもまた事実なのだ。未来は待っていたら与えられるようなモノではない。高収入ややりがいのある仕事というのは努力の結果得られるモノであり、そうした努力をしないで与えられるのを待っているクレクレ野郎は決してそうした仕事に就くことができずにいつまでも「こんな仕事したくない」と消化不良のままフリーターやニートを続けることになる。なんの技能も持たないままに低賃金で働くワーキングプアの生活に落ち込んでしまう人も多い。多いどころではない。今高校生である人たちのほとんどが将来ワーキングプアにされてしまうのが、実は今の大企業のトップの連中が考えている未来の社会なのだ。連中はそうすることが日本企業の成長を支え、自分たちの高額報酬を守る手段だと勘違いしているから困ったモノだ。
教室で熱心に授業に集中してる生徒がいる一方で、起きてるのか寝てるのかわからないような状態のろくに授業内容を理解していない生徒もいる。試験の時だってていねいに問題を読んでから解き始める生徒もいれば、ろくに問題を読まずにいいかげんに解答する生徒もいる。そうしたやる気のない生徒たちに共通するのは「受け身」であることなのだ。彼らは自分の成績が上がらない理由を「授業が面白くない」「教師がへたくそ」「学校が悪い」などと自分の外側に求める。自分がろくに予習もしない宿題もしないし、授業中も隣の生徒とおしゃべりしてるし、ときどき居眠りしているなんてことを棚に上げてできないことを自分の責任であると自覚できない。それでも大学生になりたいなどと思ってるわけで親にゼニを出してもらって予備校に行く。そんなヤツははっきり言って大学に行く価値はないとオレは思うのだが、とりあえずそういう生徒が大勢いるから河合塾や駿台という大手予備校はビジネスとして成り立つのである。「受け身であるが故に現役で大学に入る力をつけられなかった・・・」多くの受験生のために予備校は存在する。受験勉強なんて参考書や問題集があれば自分でできる。本代に模擬試験代だけならせいぜい年間数万もかからない。それなのに50万も100万もかけて予備校に行く者たちが大勢いるのである。
塾はいらない。オレははっきりそう思っている。勉強は自分一人でできる。それなのになぜ大勢の高校生が塾に行くかというと、彼らは小学生の時からそうしていたのであり、それ以外の勉強のスタイルを知らないからである。彼らは受験勉強という世界にデビューしたときからすでに受け身だったのだ。
君たち受験生が自己実現したいのなら勉強するしかない。それも自分の力で学ぶことを見つけ出し、いろんな方法で知識を得るしかない。少なくとも高校生である君たちは、努力によって東大や京大、阪大などに行ける可能性がある。可能性はすべての受験生に向かって開かれているんだ。しかし、受験生のうちでまともに勉強してる人はごく一部である。オレは受験生の平均レベルがなんでこんなに低いのだろうかと驚いている。古典文法の係結びの問題なんて、センター試験をまじめに受ける気がある受験生なら100%正解するだろうと思ったら、「こそ→已然形」の係り結びの正解率が30%以下、駿台予備校の出身者でやっと50%と聞いて愕然とする。7割の受験生は係り結びもろくにわかっていないのである。それが受験生というものの現実なのだ。
電車の中で単語集をせっせと暗記している連中がいる。そうやって英単語を覚えたつもりでいても、長文になるとろくに意味を把握できないのである。彼らは英語の勉強に入っていく方法を根本的に間違えている。公立高校に勤めていた頃、「構文と単語さえわかればどんな英文でも読める」と豪語した同僚がいたが、オレは「あほか!」と心の中で思った。理論だけ知っていてもどうにもならないのである。構文と単語の知識に加えて、膨大な量の英文を読むことではじめて英語力は向上するのだ。ルールがわかっているだけでは実際の戦いはできないのである。自分が受験生だったときにどれほど多くの英文を毎日読んでいたかと思い出す。「試験に出る英単語」などの単語集なんかわざわざ使わなくても辞書がぼろぼろになるまで使っていれば自然に単語力は向上する。
もうすぐ冬休み、そして年が明ければすぐに大学入試センター試験がやって来る。50万以上の受験生がそれを受験するわけだが、まともに勉強している受験生はそのうちの2割くらいだろう。あんな易しい試験の平均点が思いの外に低いことを聞いてオレはそう感じるのである。そう、オレは問題を見た後で毎年の平均点を知って、日本の受験生のレベルの低さに唖然とするのだ。そんな情けない知識で大学に行きたいなんて、ゼニを持たずに買い物に行くのと同じじゃないかとあきれるのだ。
大学全入時代を迎えた結果、大学の4割はフリーパスになってしまった。努力しないでもどこかに入れるから、勉強を全くしない連中によってキャンパスが埋め尽くされるようになった。講義なんか聴かずにDSやPSPで遊んでいたり、メールを打っていたりというのが今の一般的馬鹿大学生の現実だ。もしも君たちが受験生としての努力を怠って、誰でも入れるような入学試験の偏差値の低い大学に入学してしまえば、そんなニート予備軍の群れに飲み込まれることとなる。「こんな馬鹿の群れに染まりたくない」と思っても、いまそこにいるということは君自身が馬鹿の一人なんだから仕方がない。少なくともそういう程度の所にしか合格できなかったのは事実なんだから。
オレは大学を偏差値で序列化したいという意図はない。しかし、まともな受験生がほんのわずかしかいない以上、それがごく一部の大学に集中するのは当然の結果である。優秀な学生は一部の大学にのみ集中し、そうでない学生がその他の大学にあふれる。もしも君たちが本当は優秀でやる気があるのに、まわりにやる気のない連中しかいないような大学に入ってしまったらかなり大変だと思う。そこで自分を向上させる最大の要素、つまり「自分によい影響を与えてくれて向上させてくれる友人」を得られないからである。だからオレは言いたい。「必死で勉強しろ!」と。そうすればきっと自分の周囲には自分同様に必死で勉強してきた仲間がいるはずだ。
もう一度言う。今の企業のトップはクソみたいな連中ばかりだ。しかし、君たちが努力をして優秀な人材となって、そうした企業に入ってしっかりと出世することで、そうした企業を変えられるかも知れない。今はクソみたいな社長がいるが、きみたちが社長になるときは本当にすばらしい企業になってるかも知れない。企業を変える力を君たちは持ってるはずだ。クソみたいな政治家もあと50年も生きてるわけじゃない。いずれみんなくたばってあの世に行くだろう。そのときに次の世代の政治家となる君たちが、本当によりよい社会を築くためにはどうすればいいのか。それもまた大学で学ぶことを通じて考えていって欲しいのだ。
オレも君たちからみればクソみたいな大人の一人だ。こんな情けない社会を築いてしまった責任はもちろんオレにもある。だからこそ君たちには期待をかけてるんだ。自分たちの世代、自分たちよりも上の世代がめちゃめちゃにしてしまったこの社会を少しでも立て直し、再生することができる可能性を君たちは秘めているはずだと。だからこそもっと真剣に学んで欲しいわけだし、もっと優秀な受験生であって欲しいと思うのだ。こんな易しい問題ができないようなレベルではまだまだだとオレは思うのだ。
君たちが「あんなクソみたいな大人になりたくない」と思うこと、それが社会を変える第一歩だ。そのためにまず、自覚ある高校生、そして受験生であって欲しい。日々を全力で生きる一個の人間であって欲しい。クソみたいな大人のまねをして、一人を集団でいじめたり他人の財産を盗んだりするような情けない卑怯な人間にならないで欲しい。ただの暴言野郎のオレからの願いなんて君たちの胸にはきっと響かないだろうと思うが、オレからのとっておきのメッセージだ。どうかきいてくれ。
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