2007年11月06日(火) |
偽装天国、ニッポンにようこそ |
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耐震偽装に始まった2007年はこのまま偽装の年で終わるのだろうか。マンションだけではなく不二家、白い恋人、赤福、比内鶏など食の分野にも偽装は蔓延していて、もはやどれがちゃんとした食べ物なのかわからないという混乱状況である。建材メーカーのニチアスの防火パネルに続き、またしても建材の性能偽装が発覚した。
東洋ゴム工業:断熱パネルの性能偽装 不正に大臣認定
国土交通省は5日、東洋ゴム工業(大阪市西区)が建材用断熱パネルの性能試験を偽り、不正に大臣認定を取得していたと発表した。試験を受ける際、燃えにくい素材などを混入して耐熱性を3倍に偽装していた。少なくとも店舗、工場など176物件に使用されており、さらに増える可能性があるという。いずれも建築基準法違反の疑いがあり、同省は同社が認定を受けた製品全6種類の大臣認定を取り消した。大手建材メーカー「ニチアス」(東京都港区)に続き、耐火材を巡る不正がまた発覚した。【高橋昌紀】
東洋ゴム工業の片岡善雄社長は同日夜、同省で記者会見し、不正が92年に始まり、開発部門の管理職らが隠ぺいしていたことを公表、謝罪した。
同省建築指導課と同社によると、問題とされたのは、不燃材や準不燃材で作られた断熱パネル3種類と、これらのパネルを材料にした耐火構造の外壁3種類。92年10月〜04年5月に民間性能評価機関「日本建築総合試験所」(大阪市)の試験を受け、大臣認定を受けた。
断熱パネルはウレタン系の素材を芯材とし、両面を鋼板で挟み込んでいる。同社は試験用サンプルで、芯材に燃焼を抑える水酸化アルミニウムの粉末などを混入。この結果、準不燃材の加熱試験では、本来4分間しか耐えられないのに10分間耐えたという。
同社に4月まであった営業本部の開発グループに属する歴代の技術、生産、販売の3部長が、不正を把握していた。ニチアスによる耐火材の性能偽装が発覚した10月30日の翌日、社内調査で明らかになったという。
東洋ゴム工業によると、不正な断熱パネルは約17万平方メートル分出荷。このうち、15万平方メートル分の176物件については販路が判明。内訳は▽店舗92件▽工場48件▽倉庫29件▽その他7件。「その他」には富山県高岡市立福岡中の厨房(ちゅうぼう)内壁(01年8月販売)と宮城県立利府高校の部室外壁(03年10月販売)の2教育施設が含まれている。残りの約2万平方メートル分は調査中。同社は約40億円かけて対象物件を改修する方針だ。
同省は不正を見逃していた「日本建築総合試験所」に原因究明と再発防止策を指示。都道府県には各物件の改修状況を確認するよう通知した。
同社は問い合わせ電話(0800・300・1456)を設置した。
こういうものはなぜバレるのだろうか。もしかしたらバレたというだけ良心的なのかも知れないとオレは思ってしまう。つまり世の中にはバレるまで徹底して隠すという人の方が多そうだからである。そしてこの偽装の問題点はマンションの耐震偽装と同じく、それが人命に関わる可能性があるからだ。萌えにくい・・・じゃなかった燃えにくい素材ということで安心して内装材や外壁の材料に使ってるのである。つまり、その性能によって安全を買っているのだ。ところがその性能というのが実は3倍に偽装されたものであったわけで、実際は火事に弱い危険なものだったということである。
そうやってコスト削減に成功して金儲けできたはずが、バレたときに撤去交換する費用の莫大さを思えば却って大きな損失になってるはずである。そして企業が失った信頼というのはゼニに換算する事が不可能だ。ニチアスも東洋ゴムも建材メーカーとしての信頼をこれで失ってしまったのである。
これで打ち止めではないだろう。まだまだ絶対に出てくるはずだ。オレはそんなふうに予想する。そしてこんなことが頻発するようなら、技術立国としての日本の国際的な評価を大きく落とすことになるだろう。我々はよく中国から輸入した製品に対してその杜撰な品質管理を問題視する。しかし、国内でこういう偽装が頻繁に発生してるのにそれを解決しないで他国の製品を評価する資格があるだろうか。そう考えると暗澹たる気分になるのである。映画「三丁目の夕日」で描かれるように昔の日本では当たり前だった「良い製品を作り出す」という心意気はどこに行ったのか。
もうこうなったら開き直って、今月は「偽装告白月間」ということにしたらどうか。今月中に告白して罪を認めれば罰を軽くするが、それ以降は厳罰に処すというふうにするのである。そうするとみんな一斉に告白するから目立たなくてすむのである。また通産省も一気に問題を解決できて都合がいいのである。なかなかすばらしい提案じゃないか。
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