2007年05月06日(日) |
ジェットコースターは危険なのか? |
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はじめて江草の日記においでになった方はぜひ暴言日記セレクションをごらんになってください。
オレはけっこう絶叫系の乗り物が好きだったりする。遊園地に行くとそういう乗り物に自ら率先して乗っていたのだが、世の中には「どうしてわざわざゼニを払ってまで怖い思いをしないといけないのか」と言う人もいる。またかつてオレがまだ若気の至りでクルマをかなり過激に暴走させていた頃、オレが「クルマじゃなくてジェットコースターだと思えばエエんや!」と言うと、「ジェットコースターは安全やけど、あんたのクルマは万一の事故の可能性もあるから安全とは言われへんわ!」と答えた女性もいた。オレは今回の報道で初めて知ったのだが、日本ではこれまで走行中に死亡事故を起こしたジェットコースターはなかったらしい。
コースター脱輪、女性死亡19人けが 大阪・万博公園 2007年05月05日22時19分
5日午後0時50分ごろ、大阪府吹田市千里万博公園の遊園地「エキスポランド」で、ジェットコースター「風神雷神(ふうじんらいじん)2」(6両編成)が脱線し、2両目にいた女性客が車両とレール左側の手すりに挟まれて死亡、他の乗客19人が重軽傷を負った。大阪府警は、車軸の一部が折れて車輪が脱落し、車両が左側に傾いたとみて、業務上過失致死傷の疑いで吹田署に捜査本部を設置し、6日にもエキスポランド社(山田三郎社長)など数カ所を家宅捜索する方針。
国土交通省によると、運行中のジェットコースターの乗客死亡事故は国内初とみられるという。エキスポランドは、6日の全面営業停止を決めた。
車両と手すりの間に挟まれて犠牲になった乗客の女性は即死の状態だったらしい。その詳細を語ることはここでは控えるが、安全バーで固定されたまま事故の一部始終を目撃した乗客や、直下で偶然にも事故に遭遇した人の中には気分が悪くなって病院に運ばれる者も多数出たのである。エキスポランド側では事故の原因を車軸が折損したからだとしている。さて、この折損が発生したのはどの時点だったのだろうか。金属に長期間大きな負荷がかかると、十分な強度があってもいつかは金属疲労という形で小さなひびが入ったりして破損につながるということをオレは知っている。今回の車軸の折損もおそらくはそうしたことが原因なのだろう。そのトラブルを見抜けなかったことは管理側の責任なのだろう。ただ、この遊具を製作した企業はすでに倒産していて、部品は子会社から調達する状況になっていたという。いつかその部品も調達不可能になればどうやって維持管理するつもりだったのだろうか。
事故の15分前に乗車した人の話では、午前中に乗ったときよりも震動や音が大きかったという。そこで「なんでアンタは二度も乗ったのか?」とオレは素朴な疑問を感じたのだが、乗客にわかるほどの異常だったのならば、すでにその時点で破損は始まっていたかも知れないのである。しかし、安全を信じて運行させている側は車体の異常(これに関してはいつ故障が発生していたかがまだ未確定であるのだが)に対する想像力が欠如していたのかも知れない。
今のようなハイテクの時代ではセンサーを装備することで車体の異常に関しては十分に管理できるはずだ。どうすれば100%安全なコースターにできるのか、実際には車体をコース上に走らせなくても、周囲のスクリーンに流れる景色を写して乗り物は揺らせたり震動させたりするだけで落下感や疾走感を出すことは可能かも知れない。もしも社会が極端に安全を要求するのならそうせざるを得なくなるだろう。
この事故を受けてエキスポランドは事故の翌日である5月6日の営業を全面休止することを決めた。おそらく全国にある同様の遊具、そして同じ構造を持つコースターなどの点検が一斉に始まるだろう。その結果放置すれば事故につながったような異常がいくつも見つかるのかも知れない。この結果、資金力に乏しい小さな遊園地は安全のための設備を完備させることが困難になってくる可能性もある。ディズニーランドとUSJという二大勝ち組遊園地以外はますます営業が苦しくなりそうである。
オレは今回の事故で不幸にも亡くなった19歳の女性の冥福を祈りつつ、このような痛ましい事故が二度と起きないことを願うのである。家族も周囲も突然のこの事実をどう受け入れればよいのか。
5月6日、エキスポランドでは開業以来一度も遊具の金属疲労に関して検査していなかったことを明らかにした。車検制度のある自動車と違ってこのようなものに関して何の基準もなかったことの方が問題であり、これから日本中の遊園地で一斉に点検が行われるものと思われる。そういう意味では今回の事故は不可抗力とは言えず、ある意味点検の不備という人災だったのかも知れない。
←6位復帰です・・・m(_ _)m