江草 乗の言いたい放題
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2007年03月26日(月) 外山恒一っていったい何者だ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 公職選挙法の規定に違反しないように一言申し述べておきますが、当日記は特定候補に肩入れしたり応援したりする内容ではなく、あくまで単なる野次馬としての私見を述べるだけにとどまっております。拙日記をお読みになる方もどうかその点をご理解してくださるようお願いします。
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 オレは乱立した東京都知事選挙の泡沫候補者の中で一人、とても気になってる候補者がいる。それは外山恒一だ。今日、オレはyoutubeの動画で
その政見放送(←クリックすると音が出るので注意してください)を観た。そしてあまりのぶっ飛んだ内容に衝撃を受けたのである。これまでこんな過激な内容の政見放送があったのだろうか。そもそも政見放送には内容の規制はないのか。政見放送の中で選挙というシステム自体を否定した候補者など、過去にオレは一度も観たことがない。そしてオレが怖れるのは、この政見放送をたとえテレビで観なくても、youtubeなどの動画で観ることのできた無数の人々の存在である。これまで選挙に全く興味のなかった多数の人々にとって、この過激な発言がもしも受け入れられたらいったいどういう怖ろしいことが起きるのか。オレはそれがとても気になるのだ。

 ただ彼の演説の中にはきわめて本質的な問題が一つ内在している。それは次の部分である。

 少数派の諸君!選挙で何かが変わると思ったら大間違いだ!所詮選挙なんか、多数派のお祭に過ぎない! 我々少数派にとって選挙ほど馬鹿馬鹿しいものはない! 多数決で決めれば、多数派が勝つに決まってるじゃないか!

 その多数派がこれまで主導してきた社会の仕組みというものが本質的に間違っていたからこそ今の日本では少子高齢化、格差社会が進み教育が荒廃し、もはや個人の努力ではどうにもならない状況が生まれてるのである。そうした社会閉塞の現状に関して、彼の指摘はある意味正しいとも言える。

 ただ、外山恒一候補にとって不幸なことは、彼が選んだのが東京都知事選挙だったということである。大方の予想で石原慎太郎の有利がウワサされる今回の選挙で、棄権する有権者も多いだろうし、外山氏の政見放送を聴いても「馬鹿じゃない?」と冷ややかに反応する人が大多数だろう。それが多数決というものである。もしも彼が日本一有権者のふざけた街、あの横山ノックを冗談で当選させてしまった街、大阪で立候補したらどんな怖ろしいことが起きるだろうか。オレはそれを怖れているのである。

 オレは試しにWikipediaで外山恒一に関する記述を調べてみた。そこには彼のこれまでの活動に関してかなり詳しいことが書かれていた。また彼のブログも閲覧してみた。不謹慎だがその替え歌には笑ってしまった。この反社会性を評価するのはやはり大阪のような気がするのだ。

 政府転覆を叫び、今の政治体制をとにかくぶっつぶせと煽る外山恒一の主張ははっきり言ってむちゃくちゃである。彼自身が自分の政見放送の中でそれを開き直って認めている。しかし、このまま進めば格差社会がますます拡大し、貧富の差は広がり、貧乏人にとって将来に何の夢や希望も持てない状況が続くということもまた事実なのだ。そんな下層社会の底辺で喘ぐ人々にとって、このような過激な主張が一定の支持を集めるなんてことになればどんなことが起きるだろうか。既成政党は自分たちの勢力がいつまでも安泰だと思っているのか。ヒトラーがナチス党を率いて政権を奪取したのは選挙という合法的な手段であったことを忘れてはならない。

 ドイツの場合は第一次大戦後の賠償金支払いによる天文学的なインフレという社会状況がその背景にあった。確かに今の日本はイカサマ景気によって株価も上昇し、国民はその豊かさを享受してるように見えるが、果たしてこの状況が実体経済を正しく反映してるのだろうか。現状を肯定する国民と否定する国民のどちらが多数派なんだろうか。

 外山恒一は2005年11月に鹿児島県霧島市議選(隼人選挙区)に「政府転覆」を公約として立候補した。このときは最下位で落選したのだが有効投票の150分の1の得票をしていたのである。東京都知事選で同様の得票率なら約3万票を集めることが可能である。霧島市のような田舎よりも東京の方が案外得票率は上昇するかも知れない。いったい彼は何票獲得するのだろうか。そして東京には「政府転覆」を期待する有権者がいったいどれだけ存在するのだろうか。オレはそのことに非常に興味がある。

 都知事選挙には他にもドクター中松桜金造高島龍峰鞠子公一郎といったオレが密かに注目している候補者たちがいる。彼らが選挙運動の中でどんな主張を展開し、どんな選挙戦を戦うのか、オレは興味深く見守っている。政治というものに対してこれまで無関心を貫き棄権していた多くの人々が投票するようになった時、彼らが選ぶのは利権の手垢にまみれた既存の政治家どもではないのかも知れない。有権者たちが政治を見放してやけっぱちの一票を投じるようになったとき、自民党の連中はみんなビビるだろう。オレもビビるぜ。


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