2007年03月16日(金) |
カレーの大鍋に身投げしたネズミ |
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食事中の方は読まないでください。
もう10年以上も前のことだが、大阪・日本橋でオレは一軒のカレー屋を見つけた。「手作りカレー390円」とのぼりに大書されていて、おいしそうな香りが漂ってきたので思わず喰いたくなったのである。しかし、同時にオレは別のモノを捉えた。オレの視界の隅っこを横切ったのはその店から走り出た巨大なドブネズミだったのである。あんなデカいネズミが出入りしてるということはきっと衛生面に問題があるのだろうとオレは即座に判断し、その店に入ることはなかった。ほどなくそのカレー屋はつぶれてしまったわけだが、店がつぶれた原因がカレーがまずかったせいか、あるいはしばしば他の客にもネズミが目撃されたせいなのかはわからない。大阪ではまずい店は決して生き残ることができないという法則に従って一つの店が姿を消しただけのことである。
確実にうまい店を探す方法はただ一つ、長期間営業を続けて多くの固定客のいる店を選ぶことである。大阪の人間はくだらない宣伝目的の雑誌やガイドブックではなくて基本的に自分の舌を信じる。そして気に入った店にはしっかりとリピーターとなって通い詰める。「多くのリピーターを抱える店=長く繁盛している店」ということである。
立ち食いそば店:ネズミ入りカレーで18食 新小岩駅
日本レストランエンタプライズ(本社・東京都港区、荻野洋社長)は13日、同社がJR新小岩駅(葛飾区)内で営業する立ち食いそば店「あじさい茶屋新小岩店」で、ネズミが入った鍋で煮たカレールーを使ったそばやうどんなど18食を客に提供していたと発表した。今のところ、体調不良などを訴える客はいないという。
同社によると、問題のカレールーが使われていたのは13日午前6時15分から同8時半までに販売した、カレーそば・うどん4食▽カレーライス7食▽カレーセット2食など。同8時半ごろに店長が鍋にルーを足してかき混ぜる際、お玉に約8センチのネズミの死がいが引っかかり、「ネズミ混入」が分かったという。
ルーは1パック3キロで仕入れていた。ルーを鍋に入れた後、混入した可能性が高いという。同店は同日から営業を休止。日本レストランエンタプライズは「ご申告頂いたお客様には深くおわびし、ご返金をさせて頂きます」と謝罪している。客からの苦情などは13日午後11時現在ないという。問い合わせはお客様相談室(0120・65・8078)。【岩佐淳士】
さて、この事件だが大鍋にネズミが身投げしたのはいったいいつだろうか。鍋をかき回していてお玉でネズミをすくい上げた店長もきっと仰天したと思う。それを食べた客は気付かなかったのだろうか?きっとネズミは溺死するときに糞や尿も出してるはずで、それが微妙に味に影響をもたらすはずだ。敏感な客ならその味の以上に即座に気づくはずである。少なくともオレなら絶対に気づくはずだ。
食べ物に動物や昆虫などの異物が入ること自体は考えたらさほど珍しいことではない。オレはこれまでに何度もそういう事態に遭遇している。そばの汁にハエが入っていたことも人生で三度経験している。そのハエはいったい何に混じっていたのか。汁に混じっていたのか。そばに混じっていたのか。そばをゆでる熱湯に混じっていたのか。そもそもその原因が解明できない以上、そこで「新しいそば」を作り直してもらっても全く食べる気はしないのである。ハエ入りスープはその日はずっとそのまま使われ続けるのかも知れないし、かといってハエ一匹のために全部の食材を廃棄する必要があるのかと言えば、そこまでやる必要もないのかも知れない。ハエ一匹を喰ったくらいで人間は死にはしない。それが不愉快なのは健康の問題というよりは気分の問題である。
まだオレが大学生の頃だが、天王寺にある有名なラーメン屋でオレは目の前のカウンターにゴキブリの巣を見つけたことがある。3ミリくらいの小さなゴキブリはそこからカウンターを乗り越えて調理場の方にも移動していた。オレはたちまち食欲を失った。ラーメンの汁に浮かんでる小さな黒いものも、もしかしたらゴキブリの死骸の一部のように思えた。食欲をなくしたオレは、店に対するささやかな抵抗としてそのゴキブリたちを壊滅させることにした。爪楊枝を手に取ったオレは、素早くその小さなゴキブリを串刺しにしていったのである。10匹以上のゴキブリをオレはその場で仕留めることが出来た。ラーメンにはほとんど手を付けず、オレは伝票を手にして立ち上がった。レジで支払うときにオレは一言、「カウンターのとこ、ゴキブリだらけなんですけど・・・」文句を言ったが、店の方は謝ることもなくしっかりとゼニをオレに払わせた。そのラーメン店は今はもうその場所には存在しない。大学生の頃のオレは今と違っていきなりその無礼な店を罵倒するようなことはなかった。
その昔、オレの勤務する学校の近くにお好み焼きの屋台があった。その屋台でお好み焼きを買うために並んでいたオレは、焼く前の材料が混ぜられている大きなボールの中に1センチほどのゴキブリが落下した瞬間を目撃し、「あっゴキブリ!」と言おうと思ったがあまりの衝撃に言葉にならなかった。焼いてるおばちゃんがすぐに気づいてそのゴキブリを取り除いてくれればと期待したが、おばちゃんは全く気づかずにゴキブリと一緒に材料をかき混ぜたのである。オレはその屋台のお好み焼きがけっこう好きだったのだが、それ以来二度とそこでは食べなくなった。お好み焼きと一緒にあのゴキブリを食べた客はどうなったのだろうか。あるいは気づかずにそのままかみ砕いてしまったのだろうか。
食品を扱う場所にそれを狙って動物や昆虫がやってくるのは仕方のないことである。部屋に出没するネズミと戦った経験のあるオレは、カレーの大鍋にネズミが飛び込まれるという被害を受けた新小岩のそば店に限りなく同情する。しかし、客として「ねずみくらいだったらいいよ!」と許せるかというとそんなことは断じていない。もしもそれを喰わされた客の側なら激しく抗議して、ゼニを返してもらうだけではなく慰謝料を要求するだろう。それは明らかに店側の不注意だからだ。しかし、動物や昆虫の侵入が客に発見されたのではなくて店側が事前に見つけた場合、その多くはその異物を取り除くだけで、料理はそのまま客に提供されてしまうのではないだろうか。そういう意味ではネズミをすくい上げた後でそしらぬ顔でカレーを供給し続けるという選択肢もこのそば屋にはあったのである。そこできちっと事実を発表して営業を休止し、客に対して誠実にお詫びをしたことはむしろ評価されるべきことかも知れない。
そして毎日新聞にオレは抗議したい。そもそもこれが新聞で報道すべきほどのニュースなのかと。おまえたちマスコミにはもっと報道すべきことがあるだろう。日興コーディアルグループの有村前社長と安倍晋三総理がオトモダチで、ライブドアの100倍悪質な日興が上場廃止を免れた背景にはどうも安倍晋三が関わってるらしいという話を報道している新聞などどこにもない。政治家の絡んだ巨悪は報道されることもなく放置され、マスコミはサクラの開花の遅れやカレー鍋に落下したネズミの話なんかのために貴重な紙面を無駄にする。オレは何もネズミの話を今日書きたかったのではない。こんなことを報道する毎日新聞をクソだと言ってるだけだ。
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