江草 乗の言いたい放題
コラムニスト江草乗の日記風エッセイ クリック募金にご協力お願いします。

日記目次(検索可能)前日翌日 エンピツ投票ランキング  江草乗の写真日記  ブログ  お勧めLINKS  

ご愛読ありがとうございます。「江草乗の言いたい放題」は読者100万人を目指す社会派コラムです。一人でも多くの方が読んでくださることで、執筆意欲は倍増します。ぜひ、お友達に勧めて読者数UPにご協力ください。掲示板へのご意見の書き込みもお願いします。

2007年03月06日(火) 2ちゃんねる管理者に責任はあるのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」に誰かの個人情報を書き込んだり、小学校に殺人予告をしたりする馬鹿がいて、たまに逮捕されたりするニュースを聞くとざまあみろと思う。そういうくだらない悪戯をするような程度の低い人間はしっかりと社会的制裁を受けるべきだとオレは常々思っているからだ。2ちゃんねるにはオレに関する誹謗中傷も存在する。わざわざオレの名前のスレが立てられ、そこでオレは罵倒や誹謗中傷されているのである。これだけ自分の暴言コラムを読む人が増えればそれも仕方のないことだと思うが、それにしても書かれている内容にはあきれる。オレのことを変態とかロリコンとか学歴詐称とか書いているのである。全くもって許せないのである。

 そのような悪意のある犯罪(もはやイタズラの域ではない)が発生するのは、そういう犯罪行為をする馬鹿が存在するからなのだが、同時にそうした行為を簡単にやれる場所が存在するからだということで、書き込みをした馬鹿を訴えると同時に、2ちゃんねるの管理者である西村博之氏を訴えるということが多数起きていたのである。しかし、西村氏はその訴えのほとんどに対して「黙殺」という態度を取り続けた。読売新聞のWEBサイトでこのような記事を見つけた。

2ちゃんねる管理者、敗訴43件も制裁金4億円不払い
 インターネット掲示板「2ちゃんねる」への誹謗(ひぼう)中傷の書き込みなどを巡り、管理者西村博之氏(30)を相手取り、名誉棄損などを訴える民事訴訟が全国で50件以上起こされ、少なくとも43件で西村氏側の敗訴が確定していることが読売新聞の調べでわかった。
 この結果、西村氏に命じられた賠償額は約5800万円、仮処分命令などに従わないことによる「制裁金」が1日当たり約88万円、累計約4億3400万円に上るが、西村氏が自ら支払いに応じたケースはほとんどないと見られる。原告側は勝訴にもかかわらず賠償を得られない状態で、ネットの無法状態と司法の限界が露呈した形だ。
 西村氏に対する訴訟は2001年以降、東京地裁だけで50件以上が起こされ、うち40件の敗訴が確定。ほかにも札幌、大阪、神戸の各地裁で計3件の敗訴が確定している。
 訴えの内容は、〈1〉書き込みの削除請求〈2〉プロバイダー責任法に基づく、書き込んだ人の発信者情報の開示請求〈3〉書き込みを放置した管理者責任を問う損害賠償請求――がほとんどだ。このうち、01年7月に東京都内の動物病院経営者が「えげつない病院」などと書き込まれたとして提訴した訴訟では、400万円の賠償命令が確定。昨年1月にも、北海道の大学助教授が「人種差別者」「精神異常者」などと書き込まれたとして賠償を求めた訴訟で、110万円の賠償を命じた判決が確定している。
 西村氏は多くの裁判で弁護士を付けず、裁判を欠席しているため、原告側請求を認める判決がほとんど。また西村氏は控訴などを余りしないため、敗訴確定が相次いでいる。
 読売新聞の調査によると西村氏は、書き込み削除請求のうち11件、開示請求のうち3件には、裁判所の命令に応じた。
 しかし賠償金支払いを命じられた21件で自ら賠償金を支払ったケースはなかった。このため9件の原告側は、西村氏の財産を差し押さえようと強制執行の手続きを取った。しかし回収できたのは、4件計三百数十万円にとどまっている。
 差し押さえがうまくいかないのは、西村氏名義の銀行口座を突き止めても残高が少なかったり、西村氏が取締役を務める会社から「役員報酬は払っていない」と回答されたりしたため。
 書き込み削除や情報開示については、当事者が仮処分を申し立てることが多い。被告が判決や仮処分命令に従わない場合は、裁判所が原告側の請求に基づき、命令に従うまで1日当たり一定額の制裁金支払いを義務付ける「間接強制」を行うことがある。
 西村氏に間接強制が適用されたケースは確認できただけで5件。現在、1日約88万円の支払い義務が発生しており、3月1日現在の累計は4億3400万円に膨らんでいる。
 読売新聞は西村氏に対し2月下旬以降、電子メールで取材を申し込んでいるが、返答がない。(2007年3月5日14時30分 読売新聞)


 さて、オレが不思議に思うのはこの賠償金の請求先である。書き込みが削除されないことで受けた被害とあるが、2ちゃんねるは書き込みを自分で削除する機能はないので、一度書くとその書き込みがほぼ永久にどこかに残ることになる。もしもその書き込みの内容が反社会的なものであっても、とりあえずは消せないで残るのである。そんなことも分からずに迷惑行為をやり続けるクソ野郎どもからはいくら賠償金をとってもいいとオレは思っている。つまり、誹謗中傷の書き手に対する賠償請求はよく理解できるのだ。しかし、管理者の西村氏が訴えられるのはどうだろうか。その場合の管理責任はどこまで及ぶのだろうかということがここでの問題である。

 2ちゃんねるには独自の削除システムがある。つまり、管理者に訴えていきなり削除させるのではなくて削除依頼を出し、それが審査された結果削除に至るという方法である。このシステムのために削除には時間が掛かり、またそのための発生している人権侵害などがなかなか解消しないという弊害もある。ただこれに関しては両刃の剣である。一個人が企業の犯罪などを告発する場合、企業がすぐに圧力を掛けてそうした書き込みを削除させるということも十分に考えられる。そうした言論弾圧に対して戦える手段として、オレはこの仕組みが機能することを願う。しかし現実は、そうした正義の書き込みどころかクソ書き込みや犯罪書き込みの方が圧倒的に多いのである。その結果としてそうした犯罪を誘発する場所である2ちゃんねるが批判を受けるわけだ。

 オレの運営するサイトにもいくつかの掲示板をリンクさせている。そのすべての掲示板をオレは巡回していて、迷惑書き込みや人権侵害の書き込みがあれば迅速に消すように心がけているのだが、長期の出張やパソコンの使えない国への海外旅行などがあれば対応も遅れるだろう。粘着質に迷惑な書き込みをしたり、他人の悪口しか言えない馬鹿は現実に大勢いるので、そういうクソたちが流入してくればオレの運営する掲示板も危うくなってくる。卑猥なことばを書き殴ったり、誰かの個人情報を暴露するような犯罪がこれまでになかったわけではない。

もしもそういう類の情けない事件が起きて、その責任を掲示板管理者であるオレが取らされるとすれば非常に困るのである。もちろんオレは迷惑書き込みを行った馬鹿に関する情報をすぐに被害者に提供するし、解決に向けて最大限の協力を行う。それは当然のことだ。しかし、「こんな掲示板があるからこうなった!」と責任を問われれば、それは少し違うのだ。オレはあくまで場所を提供しているだけであり、トラブルが発生すれば当事者同士で解決すべきものだと思うからだ。それだけに今回もしも「いかにもゼニを持っていそうだからふんだくってやれ!」という姑息な理由で西村氏が標的とされているならば、それをオレは残念に思っている。彼に責任を問うのは、交通事故の責任を道路管理者である国土交通省に求め、阪急電車で痴漢にあったのを阪急の社長のせいだと主張することとある意味同じではないのか。

 裁判に出頭しない西村氏は訴えられた場合ほとんど敗訴しており、賠償金の支払い命令が出てるのだが、払わないために制裁金が一日あたり88万円、累計で4億3400万円もの支払い命令が出ているのだという。これはとてつもない金額である。オレは一日88万円ずつなんかとても払えないぜ。それにしてもタダでみんなが遊べる場所を提供した西村氏が、今度はその遊び場で起きた事件に対して責任を取らされるというのはどうもオレには納得がいかない。実際に裁かれるのは実際に悪事を働いたヤツだけでいいのじゃないか。場所の提供が犯罪ならば、交通事故の起きやすい道路や交差点を所有している国土交通省も常に共犯者であるということになってしまう。2ちゃんねるの管理者だからといって、こうして巨額の賠償を請求されている現状を見ると、日本もアメリカのような嘆かわしい訴訟国家になりつつあるのかとオレは心配しているのだ。


↑エンピツ投票ボタン。押せば続きが読めます。登録不要です。投票ありがとうございます。←ついに3位まできました。1位はもうすぐです。


My追加
江草乗の言いたい放題 - にほんブログ村

前の日記   後の日記
江草 乗 |ファンレターと告発メール   お勧めSHOP エンピツユニオン