2007年01月12日(金) |
伊藤納裁判長は寛大なお方です |
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馬鹿判決は大阪地裁の名物だと思っていたがどうやら名古屋地裁にもひどい判決を出す裁判官がいたようだ。オレはこの判決にあきれている。
6人死傷事故、業過で懲役6年…危険運転適用せず
愛知県春日井市で昨年2月、乗用車を飲酒運転したうえ、赤信号を無視してタクシーと衝突し、運転手や乗客ら4人を死亡させ、2人に重軽傷を負わせたとして、危険運転致死傷罪などに問われた同市、会社員桑山健被告(27)の判決が11日、名古屋地裁であった。伊藤納裁判長は「(桑山被告が)交差点の信号は青信号だと思い込んでいた可能性があり、赤信号をことさらに無視したとはいえない」として同罪ではなく、業務上過失致死傷罪で懲役6年(求刑・懲役20年)を言い渡した。
検察側は「赤信号をことさらに無視し、多数の命を奪った」として、量刑の重い危険運転致死傷罪の適用を主張。弁護側は「赤信号を青信号に見間違えた過失による事故で、業務上過失致死傷罪にとどまる」と争っていた。
桑山被告は、危険運転致死傷罪で審理され、結審したが、判決言い渡し予定だった昨年10月13日、伊藤裁判長が弁論再開を決め、検察側に、業務上過失致死傷罪を予備的に訴因に追加するよう命じた。
名古屋地検は「判決内容を見た上、控訴するかどうか検討する」とのコメントを出した。
(2007年1月11日12時56分 読売新聞)
飲酒運転で赤信号を無視してタクシーと衝突、4人を死亡させた危険な行為が「危険運転」ではないらしい。いったいどんなむちゃな運転なら危険なのか。オレはこの伊藤納裁判長に訊いてみたいのである。赤信号を無視して突っ込んだという事実があっても「青信号と思っていた」と主張すれば、「見間違い」ということにしてもらえるのだ。なんと寛大な裁判官だろうか。これから重大な犯罪を犯した外道は、裁判官として伊藤納を指名して刑を軽くしてもらえばいいのである。
猟銃で人を撃った場合でも「イノシシと間違えた」と言えばOKである。女性をレイプしても「南極二号と間違えた」と言えば許されるのだ。なんでもかんでも「見間違い」と主張すればいいのである。見知らぬ女性をレイプしても「妻と見間違えた」と強引な主張をするヤツも出てくるだろう。肥満した人をクルマではねても「ブタと間違えた」と言い訳すればいいのかも知れない。この「見間違い」という理由が許されるということは、こんなにも応用範囲の広がることなのだ。
百歩譲ってその見間違いがあったとしよう。それならその男の場合必ず赤信号が青信号に見えると言うことを科学的に立証してくれ。その男の眼の構造が赤を青に感じる特別な個性を持ってるということを医師の診断付きで示してくれ。それだったらオレも納得するぜ。
せっかく導入した危険運転致死罪だが、全交通事故の中で1%ほどしか適用されていないそうである。飲酒でも安全に運転できたとか、故意に危険な走行をしたわけではないとかいう弁護が行われ、裁判官はそのむちゃくちゃな弁護を受け入れて刑を軽くしてしまうので適用できないのである。事故の際に信号無視、飲酒、スピード違反などがどれか一つでも該当していれば無条件に適用するという形になぜしないのか。
業務上過失致死という軽い罰は、運転者が十分に注意して遵法運転していたのに不幸にも起きてしまった事故に関してだけ適用されるべきだ。結果として多くの人を死に至らしめた行為は無条件に「危険運転」とされるべきである。脇見運転をしていて通園中の園児をなぎ倒して数人を死なせた事故も「危険運転」は適用されないらしい。なぜそういうことになるのか。オレには裁判官の世界の常識というものがどうしてもわからないのである。ヤツらの頭の中にはどうもオレとは違った常識のモノサシが存在するような気がしてならないのである。
ただ、オレが一つだけ気になるのは自動車保険の扱いだ。加害者が飲酒運転などで「危険運転致死罪」でさばかれた場合、保険会社はその加害者の起こした事故に関して保険金(つまり被害者への補償金)を支払ってくれるのか。あくまで通常の使用の中で発生した交通事故なんてことにはなってないだろうか。もしも「危険運転致死罪なら保険金が支払われないが、通常の業務上過失致死では保険金が支払われるため、遺族救済のためにやむなくこのような判決を選んだ」ということならばルールを変えて欲しい。それによって保険会社が損をするのならば、そのような危険なドライバーは加入させなかったらいいのである。もっともそんな無責任なヤツは平気で無保険で乗るだろうが。(どうやら任意保険の場合、被害者には全額補償されるらしいとメールで情報をいただきました。)
裁判官は正義を実現するだけの力を付与されている。その裁判官がこの伊藤納のようにボンクラばかりなんだとしたら、我が国の正義なんて守れるはずがない。こんな判決が出るたびにオレはあきれてしまうのである。
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