2006年12月19日(火) |
日興は生きろ、豚は死ね! |
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日興、担当役員が辞任 会長ら報酬減額 決算水増し疑惑(←クリックすると当該記事が開きます)
2006年12月18日22時27分 asahi.comより
証券大手・日興コーディアルグループは18日、05年3月期決算で子会社間に生じた利益だけを不適正に計上したとして、この決算などを記載した有価証券報告書を訂正すると正式に発表した。ただ「担当社員の過失」として意図的な利益の水増しは否定した。証券取引等監視委員会も同日、虚偽の有価証券報告書を作成したとして日興に過去最大の5億円の課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告。監視委は「組織的に利益の水増しを図った」とし、日興の見解と対立している。
日興は決算訂正の責任を取って担当の平野博文グループ取締役兼執行役が引責辞任し、金子昌資会長、有村純一社長ら関係役員6人が報酬を6カ月間、5割〜3割減額する。課徴金は「6役員らが連帯して支払う」としている。
さて、今回の粉飾決算の疑いで日興コーディアル証券が監理ポスト入りしたわけだが、過去に監理ポスト入りした証券会社で生還したところはない。山一、三洋いずれもつぶれている。そういう意味ではこの日興コーディアルグループもかなりやばいことになると思いたいのだが、オレが株取引のメインに使ってるマネックス証券はちなみに日興コーディアルグループの一つである。なんてことだ。
決定通りに日興コーディアルグループの株が監理ポスト入りということになると、時価総額1兆3800億円もあるだけに東証に与える影響は大きい。まず、この株を担保にして信用取引してる人が困るのである。現物株を担保にすればその時価の80%を保証金とした信用取引ができるのだが、今回の監理ポスト入りを受けて証券会社各社は来週の12月25日から日興コーディアルグループ株の担保価値をゼロにすることを発表している。もしも担保にして信用取引している場合、別の株に担保を差し替えるか、同額の現金を保証金として差し入れないといけないのである。それを用意できない場合は、信用取引をとりあえず決済するか、あるいはこの日興コーディアル株を12月22日(金)までに売ってしまうしかない。いずれにしても市場には恐るべき売り圧力が発生するのである。
1兆3800億円の何%の売り圧力が発生するのかわからない。仮に10%と仮定してもそれだけの売りが前場寄り付きに起きればおそらく大暴落が発生する。下げが下げを呼ぶ展開になるともはや止まらないだろう。我々はその実例をちゃんと一年近く前に「ライブドアショック」という形で目撃しているのである。ライブドアが管理ポスト入りしたのに伴ってその関連会社の株がすべて担保価値ゼロとされたために壮絶な下げが発生したことをみんな忘れてはいないだろう。
しかし、オレは別の展開も予想するのである。それは「日興は生きろ、豚は死ね」という展開だ。今回、東証がイカサマを発揮して日興を救い、課徴金5億円だけで済ませて速やかに東証一部に復帰させるというシナリオである。豚、いや堀江社長のライブドアとはあきらかに差別待遇である。たった15億ほど粉飾しただけで息の根を止められたライブドアと、150億も粉飾してるのに「一個人の過失」という言い訳で課徴金5億円で許される日興コーディアル、どうかんがえても不公平だ。こんな巨額の不正経理、一個人の手ではとうてい無理だとオレは思っている。おそらく幹部はこの実態を知っていたはずだ。
過去に証券会社が大企業に対して元本保証して損失補填していた実態が暴かれたことがあったが、オレのような個人投資家を「ゴミ」と呼び、投資家を儲けさせるのではなくていかに高値で株を売りつけてはめ込むかを考えるのが証券会社の本質である。格付けを恣意的に上げ下げして、投資家を高値に呼び込んでおいてそこで大量に売り抜けたり増資して新株発行で暴落させたりするのである。株屋の連中は個人をだますことしか考えていないと言っても過言ではない。オレが株式掲示板を運営してるのは、そうした株屋にだまされて資産をなくした人がリターンマッチを戦えるように支援するためである。
オレは日経新聞や株式新聞の出す情報には必ずウラがあると思っている。有望銘柄が上昇前に推奨されることはマレで、たいていはすでに上がりきって高値圏に入り、そろそろ馬鹿しか買わなくなった頃に日経新聞や株式新聞で推奨されるのである。オレはいつも「こういうところに載るということはそろそろ終わったな」と空売りの準備をすることにしているくらいだ。オレの投資戦略が空売りを基本としていて、買いでとることはほとんどないのはそのためである。これから上がる株はなかなか見つけるのが難しいが、これからとめどもなく暴落していく株というのは比較的容易に発見できるからである。
今回の日興コーディアルの不正経理処理は実は半年以上前にも報道されていた。つまりうさんくさいと思っていた人がかなりいたのである。あのイカサマ監査機関である中央青山監査法人さえもが日興コーディアルに対して、今回摘発された不明確なSPC(特別目的会社)の損失140億円が決算に反映されていないとして、このSPCを2006年3月期決算では連結対象とするように要請していたそうである。それがここまで見逃されてきたことにオレはなんらかの作為を感じるのだ。それが「日興は生きろ、豚は死ね」である。このフレーズを繰り返しても何のことかわからない人もいると思うので説明すると、これは昔の角川映画『白昼の死角』のキャッチコピーである。昔の角川映画といえばそれはもう飛ぶ鳥を落とす勢いだった。『野性の証明』『人間の証明』『犬神家の一族』『蘇える金狼』と大ヒットした娯楽作品を次々と連発したことを思い出す。かれこれもう20年以上も前の話である。
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