2006年08月23日(水) |
みずほ証券、407億円はあきらめろ! |
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過去に空売りを話題にした日記一覧
2005年12月8日、みずほ証券のある社員は東証マザーズ市場に新規上場した人材派遣会社ジェイコム株の「61万円で1株」を売る注文を間違えて「61万株を1円」と端末に入力し、発行済み株式数の42倍の発注をした。これがおかしいと気がついた東証はすぐにみずほ証券に連絡し、誤りに気がついたみずほ証券側は、約1分後から取り消し注文を4回出したがシステムの不具合で取り消せず、やむを得ず相殺のための買い注文を出したが、約14万株は買い戻せなかったのである。これが東証を大混乱させた昨年12月のあのジェイコム事件である。
誤発注ということは実際に取引をしていてよく起こることである。オレも実際に「売り」注文を入れたつもりが実は「買い」を入れてしまったということや、「2000株買う」つもりだったのにうっかり「20000株買う」注文を入れてしまってるということが過去にあったのである。注文前に画面でいちおう確認できるようになってるが、そこで「実行」というところをクリックすればもうキャンセルは不可能だ。株式の取引というのはそんなものである。買った5分後に暴落していて、「いまの取り消し!」というわけにもいかないのである。映画「時をかける少女」のヒロインが使う「タイムリープ」という能力があれば、オレは数日でビルゲイツくらいの富を築くことが可能だろう。
オレのような個人投資家なら操作ミスは自己責任だが、もちろん証券会社も同じルールが適用されるべきだとオレは思っている。その発注ミスのみずほ証券が、なんと407億円の損害のうちの404億円は注文を取り消せなかった東証のシステムの不具合のせいだと主張して、東証に損害賠償を請求していたのである。なんとふざけた会社だ。そんな証券会社はいますぐ免許を取り消してしまえ。
みずほ証券は9月15日までに賠償に応じなかったら訴訟に踏みきると通告している。「あほか!」とオレは言いたいのである。みずほ証券の損害額は本当ならそんなものでは済まなかったのだ。たった407億円で済んだということがどれほど幸運なことだったかわからないのか。空売りして買い戻せなかったら破産するか樹海行きになるしかないという個人投資家の悲劇をおまえら株屋はわかってないのかとオレは憤るのである。
東証の内部規定では、東証を利用した業務で参加者が損害を受けた場合、「故意または重大な過失がなければ東証に賠償の責任はない」となっている。当たり前である。株で損をしてもそれは参加者の自己責任である。そんなことを東証は何も賠償する必要はないのだ。
オレが昨年12月9日の日記(←クリックすると読めます)で書いたのは、もしかしたらみずほ証券の損害額は1兆8300億円に膨らんだかも知れないと言うことである。持っていない株を売ってしまったということはみずほ証券の行った行為は空売りだ。空売りをした株が値上がりした場合、損失は青天井だ。だから空売りは怖いのである。「株を買う者は財産を失うが、株を空売りする者は命を失う」という相場の格言がある。みずほ証券も空売りした以上、その運命を甘受するのが証券市場のルールだったはずである。
ところが、ジェイコム株は異例の91万2000円での現金決済というルール破りの方法で決着がつき、もしかしたら300万にも400万にも値上がりしたかも知れないのに、たった91万2000円でみずほ証券は買い戻せることになったのだ。東証がそうして特別なお計らいでみずほ証券を救ってあげたのに、損失の責任は東証にあるとは何事だ。ふざけるのもいいかげんにしろ。最初にミスをしたのはおまえのところの馬鹿社員だろう。1円で61万株なんてありえない発注をした馬鹿がそもそもの原因だろう。その社員に404億円払わせるのならまだわかるが、東証に賠償させるのはあまりにもお門違いである。
みずほ証券のこのふざけた訴えを認めるということは、一度出した注文は約定すればもう取り返しがつかないという株取引の大原則をくつがえす大問題であり、オレは断じて認めることができない。証券会社も個人投資家も同じルールで戦ってこそフェアな株取引ができるのである。みずほ証券よ、そんな卑怯な主張するおまえらに証券業務をする資格はない。今すぐ退場しやがれ。
←証券会社だけが有利なルールには断じて反対するという方はぜひ投票をお願いします。
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