江草 乗の言いたい放題
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2006年08月24日(木) 我が家はネズミーランド        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 ハドソンから発売されてるゲーム「桃太郎電鉄」には東京ネズミーランドというテーマパークが登場する。ミッキーマウスをもじって「ネズミの国」にしたわけである。確かにアニメやぬいぐるみのネズミはかわいいが、実物のネズミは困った存在である。我が家ではこの夏、ネズミ騒動が巻き起こったのである。

 最初の異変はお菓子の袋がかじられることだった。ビスケットやおかきの袋に、謎の穴が開いてるのである。最初はその穴の意味がわからずにオレはそのビスケットを喰っていた。「なんでこんなところ破れてるんやろなあ」と。息子がイタズラをして引き裂いた程度に考えていたのである。次の異変は妻が発見した。キッチンストッカーの中にあった食品が荒らされていたのである。パン粉の袋が無惨に破れてパン粉が散乱し、そこら中にネズミの糞が落ちていた。ネズミがキッチンストッカーに侵入し、そこら中を暴れ回ったことは明白だった。そこでオレは、お菓子の袋を破った犯人、いや犯鼠の存在に気がついたのである。なんということだ。オレは鼠がその袋の中をはいずり回ったかもしれないビスケットを喰ってしまったのである。

 そういえばこの夏、我が家にはいつも発生するゴキブリがいなかった。一匹もゴキブリを殺すことがなかったのである。本来棲息してる生き物が存在しないことに関して、何らかの理由を考える必要があったのだ。ネズミはゴキブリを喰う。我が家は食物連鎖によってゴキブリの発生が抑えられていたのである。

 ネズミ駆除のためにオレはゴキブリホイホイならぬネズミホイホイを買ってきた。それを何カ所かに仕掛けて一晩経つとたちまち一匹の体長4センチほどの子ネズミが粘着シートにくっついていた。チューチューと悲しそうに鳴いている。とりあえずチュー助と名付けたが、雄か雌かはわからない。

 妻はそのネズミの命を救うことを提案した。なんと心優しい発言だろうか。「濡らしたら粘着シートからはずせるのと違う?どこかに逃がしてあげたら?」母は冷たく言った。「水に漬けたら一発や」そういえば昔、今の家に引っ越す前に住んでいた長屋にもネズミが居て、ときどき天井裏をドタドタと走り回って運動会をしていたことを思い出す。仕掛けておいたネズミ捕りに大きくて立派なネズミが捕まると、母はいつもそのネズミ捕りごとたらいに沈めてネズミを水死させていた。

 もしも外に逃がしてあげたらそのネズミは他の家に迷惑をかけるだけのことである。それに、この粘着シートはやたら強力なのである。次男が触って指につけたままあちこちに触れたために、それをシンナーで拭き取るのにオレはてんやわんやしたのである。とにかく強力なネバネバなのである。そこからはがせるわけがないのである。ネズミの毛ももうネバネバでねちょねちょぐちょぐちょなのである

 処遇が決まらずに数時間経過して、ふとネズミホイホイを見ると、もう一匹捕まっていたのである。なんということだ。ネズミは一匹ではなかったのである。ということは、一匹捕まってるということが誘因効果をもたらしたのだとも言える。チューチュー哀れに鳴いてるので、それでもう一匹が引き寄せられたのだろう。とりあえず二匹目の犠牲鼠はチュー太と名付けた。日曜日に買ってきたネズミホイホイは翌月曜日には早くも二匹の成果を上げたのだ。「子ネズミがいるということは母ネズミもきっといる。オレはもっとでかいのを見た!」と父は言った。ということは、その母ネズミが産んだ子がこの二匹なんだろうか。果たして二匹だけなんだろうか。

 火曜日、その疑問の答えが出た。その日の午前中にさらに二匹がネズミホイホイに掛かっていたのである。あまりのことにもう名前をつける気も失せた。我が家にはネズミが四匹も棲息していたのか。オレはそんなネズミ御殿に住んでることが悲しくなった。しかし、四匹とも子ネズミである。絶対にこいつらの親が存在する。その親ネズミをなんとか捕獲しないと、そいつらが子を産めば無限にネズミの被害は続くことになる。いったいネズミの巣はどこにあるのだろうか。オレは床下に親ネズミがいることを確信した。とりあえず毒エサなどを配置して様子を見るしかない。

 捕まったネズミたちはチューチューと悲しげに鳴く。それは仲間に助けを求めるのか、あるいは仲間に「こんな危険な場所に近づくな」と警告を発するのか。前者ならばそれを利用して捕まえればいいわけだが、後者なら却って捕まりにくいことになる。残念ながらオレはネズミ語がわからないので判断しがたい。とりあえず仲間が救援に来れば一網打尽だとばかりにオレはそのままの状態で放置することにした。かくして、ネズミホイホイには四匹が哀れな状態でくっついているのである。

 これを動物虐待だと抗議する人もいるかも知れない。もしもオレがそのネズミをバケツに突っ込んで水死させれば、「なんておまえは残酷な人間なんだ!」と抗議のメールが届くのかも知れない。じゃあこのネズミホイホイはどうすればいいのか。そのままパタンと閉じてゴミに出せばいいのか。

 昔、オレはゴキブリを追いつめてハエ叩きを構えていたときに、なぜか冷蔵庫の後ろからゴキブリではなくネズミが飛び出してきて、びっくりしてそのハエ叩きでネズミを痛打して死に至らしめたことがある。そんな残虐な行為をしたオレを、「鼠殺し!」と罵倒する人もあるかも知れない。その時妻は「なんてかわいそうなことをするの!」とオレを責めた。条件反射で仕方なかったんだ。それはオレにとって不幸な事故だったんだ。ハエ叩きを構えた人間にとって、目の前にある動くモノを叩くのは当然の行動だ。それがたまたまゴキブリではなくてネズミだっただけのことだ。

 それでもオレのした行為はやはり残虐なのだろうか。子猫を虐殺する作家、坂東眞砂子氏の行為と同じくらいに残虐な行為なのだろうか。ネコなら残虐でネズミならそうではないというのはそれはネズミ差別ではないのか。そんなくだらないことをオレはあれこれ悩みながらネズミホイホイに捕まった四匹のネズミを見ていたのである。たぶんオレが仕事に出てる間に、この四匹はネズミホイホイごと母が始末するのだろう。哀れなネズミたちよ、今度生まれ変わってくるときは人間の家じゃなくて野山の自然の中で暮らせよ。チュー助、チュー太、救ってやれなくてごめんよ。


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