江草 乗の言いたい放題
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2006年05月31日(水) 正しいゆでたまごの作り方        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 オレはゆで玉子が好きだ。ゆでたてのまだ熱いゆでたまごに塩を掛けて食べるのがこの上もなく好きだ。そんなオレが喫茶店やファミレスでモーニングセットを頼むと、たいていゆでたまごがついてくる。問題はこのゆで玉子のカラの剥きやすさが極端に違うことである。つまり、カラが白身に妙に癒着して、うまく剥くことができずに白身ごとはがれて悲惨な状態になってしまうことがあるのだ。

 5月28日朝、すかいらーくで朝食をとっていたオレは、そんな悲劇のゆで玉子と遭遇したのである。ゆで玉子の殻を剥くのに必要な時間はせいぜい10秒以内である。テーブルにこつんとぶつけて軽くひびをいれ、そのまま薄皮と一緒に硬い殻をきれいにはがせば、一瞬にして美女のお尻のようにつるりとしたむき玉子のできあがりである。

 ところが悲劇のゆで玉子に遭遇すると、殻を剥くのに5分近く掛かってしまうのである。オレは少なくとも食用にゆで玉子を提供しているレストランが、そんな剥きにくい処理のされ方(ようするに手抜き)のゆで玉子を出してくることが信じられないのである。しかし、現実に東淀川区にあるすかいらーく江口橋店では、5月28日の朝にモーニングセットを頼んだオレにひどいゆで玉子を出したのである。無礼千万、全くもって許せないのである。もう絶対にすかいらーくの株には投資しないのである。こんなひどいゆで玉子を出しているファミレスに未来はないのである。

 オレは子供の頃、母が料理を作るのを手伝っていろんなことをそばで見ていた。母は玉子をゆでると、必ずいったん冷水で冷やしていた。そうしないと殻が剥きにくいからだという。オレが家で当たり前のように5秒で殻を剥くことができたのは、母がいつもそうして冷やしていたからだったのだ。小学校の給食でゆで玉子が出たとき、家で喰うときと同じように剥こうとすると剥けない。殻と白身が強固に癒着していて薄皮が白身の方にしっかりくっついている。薄皮と白身の間の接着力も強い。その結果、殻を剥き終えるまでにかなり時間が掛かり、白身がかなり殻にくっついてとれてしまい、つるりとした状態ではなく無惨なでこぼこのゆで玉子になってしまったのである。

 この話を聞いて「おまえが不器用やからそうなるんや!」とオレを罵倒したくなる方もいるかも知れない。しかし、剥きやすいゆで玉子と剥きにくいゆで玉子が存在するのはまぎれもない事実なのだ。そして、少なくとも客が食べやすいようにして提供しないといけないはずのファミレスで、剥きにくいゆで玉子が登場すること自体にオレは腹を立てているのだ。おまえらにはプロ意識があるのか!と文句を言いたいのだ。たかが380円のモーニングセットだから手抜きでも良いというものではないだろう。

 思うに、その剥きにくいゆで玉子は、ゆで終えた後冷水で処理されることなくそのまま放置され、ゆっくり徐々に冷えてしまい、その冷える過程で白身、薄皮、殻のトライアングルの間に強固な結びつきが形成されたものであるとオレは想像する。ゆであがった玉子を放置するという人為的なミスによってその悲劇のゆで玉子が作られるのだ。ちなみに関西ではゆで玉子のことを煮抜き玉子という。これは煮抜きではなくて手抜きだったのである。

 悲劇のゆで卵ではなかったが、ゆで終えたままの熱々で、熱すぎて触れないようなゆで玉子に遭遇したこともある。これは映画「ホテルルワンダ」を見たときに高槻でロイホに入ったときだ。火傷しそうである。アメリカでこんなのを出せば賠償金を100万ドルくらい取られるにちがいない。おそらくその店でもちゃんといったん殻を冷やすという手順を踏んでいないのであろう。幸いオレはドリンクバーも頼んでいたので、大きなグラスに氷を入れてその中に熱いゆで玉子を落とし込み、しばらく経ってから引き上げて殻を剥いた。するとつるりと殻がむけるベストの状態になっていたのである。

 小学校の時の話に戻るが、一度剥きにくいゆで玉子を経験したオレは、次に給食にゆで玉子が出たとき、まだ殻が熱いゆで玉子を手洗い場の冷水のところに持っていて冷やした。しばらくそうしてから教室に持ち帰り、剥いてみるとつるりと簡単に殻が剥けたのである。肌に密着したパンティがお尻の方からつるりと脱げるがごとく、そこには白くつやつやとした白身があったのである。一方、オレと違ってそんな手間を掛けない他の児童のゆで玉子は剥きにくく、悲劇のゆで玉子となっていたのである。かわいそうだが仕方ないのである。智恵のある人間と智恵のないサルとの差である。

 ゆで玉子の白身に塩を掛けてかぶりつくのは至福の一瞬である。そのときには少し大きく齧って、口の中に白身と黄身が同時に入るようにしないといけない。塩、白身、黄身の三種の味のハーモニーがたまらないのである。ところが殻剥きに失敗すると、最初からかなり沈んだ気分で喰うことになってしまうのである。ハーモニーどころではないのである。

 オレはゼニを取って客にゆで玉子を提供する側である飲食店が、きちっと殻を剥くことができない悲劇のゆで玉子を出すことを断じて許さない。もしもオレが今後そんな目に遭えば必ずその店の名前をここに出して罵倒するつもりだ。それは被害を受けたオレが行う正当な抗議である。それによって該当する店の手抜き従業員たちが大いに反省し、以後二度と悲劇のゆで玉子を提供しないということになれば、それは客にとっても店にとっても大いにプラスになることである。

 ちなみに家でごはんのおかずとしてゆで玉子を食うとき、オレはたいていマヨネーズを掛けて食べる。トンカツソースの時もある。もちろんシンプルに塩というのもいいが、それはおやつとしての食べ方だ。こうしておやつにもなるしおかずにもなるゆで玉子は、大変優れた食品であるとオレは信じて疑わないのである。

 追記:ゆで玉子が冷やせば剥きやすくなる理由に関して、
カソウケンの内田様からご教示をいただきましたので、そちらも合わせてごらんになるとよくわかると思います。→こちら


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