2006年04月22日(土) |
絶景だぜ!仁徳天皇陵を見下ろすマンション |
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この春から政令指定都市となった大阪府堺市、そのシンボルといえばやはり、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界3大陵墓の1つである仁徳天皇陵である。全長約485m、前方部の高さ約35m、後円部の高さ約33m、外周約2.7キロ及ぶ日本最大の前方後円墳である。建造されたのは5世紀中ごろと見られ、現在は宮内庁に仁徳天皇の陵墓として管理されている。世界遺産に登録されていないのが不思議なくらいである。周辺には大阪府立大学の大仙キャンパスと閑静な住宅街があり、北西側にラブホテル街があることを除けばきわめて良好な住環境と言えるだろう。
その仁徳天皇陵の北西1キロのところにある南海堺東駅東側の車庫跡地1.4ヘクタールの土地に、高さ148m、42階建てと15階建ての2棟で500戸の高層マンションが南海電鉄によって計画されてるという。わずか1キロの距離なのでマンションの最上階からは仁徳天皇陵の全景が見下ろせるのである。これはマンションを販売する側にとって最大の売りである。東京で「皇居を見下ろす畏れ多いマンション」「双眼鏡で覗けば皇室一家の私生活もバッチリ」を売りにしてるマンションがあるのかどうかは寡聞にして知らないが、少なくとも眺めというのはマンションの価値にとって重要な要素であることは間違いない。もしも窓から女子校のプールが丸見えのマンションが有れば変態さんでいっぱいになるだろう。
さて、この南海電鉄のマンション計画は堺市も承認している。市にしてみれば固定資産税も入って来るし、そんなマンションを購入して移住してくるのはたぶん収入の多い人たちで、地方税の増収にもつながるというわけである。人口が増えれば街の活性化にもつながる。ところが周辺住民は猛反発である。そんなマンションがあれば世界遺産登録に支障が出るという理由である。
地元住民で建設に反対する上村雄彦・大阪府立大名誉教授は「明らかに景観を破壊しており、建設を中止しなければ世界遺産登録はありえない」と指摘しているそうである。ドイツでは世界文化遺産のケルン大聖堂の周辺で高層ビル開発の計画が持ち上がった際、大聖堂を危機遺産に登録し、計画をストップさせたという実例があるらしい。一部の住民からは「堺市のシンボルを見下ろす人たちがいるのはいい気分ではない」という声もあがっている。20年前に堺商工会議所が、天皇陵近くに展望タワーの建設を提案して猛反対にあって立ち消えになったという事件もあったらしい。
周辺住民らは建設中止を求める要望書を市に提出する予定だが、市建築都市局は「古墳の周囲には低いながらもすでに家やマンションが建っている。現場に高さ制限はなく、建築基準法をクリアしていれば問題ない。」とコメントしている。
オレは周辺住民のこの訴えに大きな違和感を感じている。それは、仁徳天皇陵の北西側に接した地域にあるラブホテル街の存在である。1キロ離れた場所の高層マンションと、隣接するホテル街、どちらが畏れ多いかと言われれば明らかに後者だろう。それには何も抗議しないで、というかホテル街はもう30年以上も前からそこに存在するのである。オレが小学生の頃にその前をクルマで通過したとき、すでにそのホテル街は存在したのである。天皇陵のすぐお隣という畏れ多い場所で、真っ昼間から不埒な行為に耽る男女が存在することは全くもって許せないのである。戦前なら不敬罪で死刑になったかも知れないのである。
そんな大きな問題には目をつぶって、はるか1キロ先から見下されることを問題視する周辺住民の感覚はオレには全く理解できないのである。オレが周辺住民なら真っ先にラブホテル排除運動をしただろう。そんな矛盾を感じてしまうこのマンション計画、いったいどうなるのだろうか。そしてオレの記憶では仁徳天皇陵の北北東1.5キロのところにはベルマージュ堺という駅前再開発で建った42階建ての高層マンションがすでにあったと思うのだ。そっちはどうだったんだ?すでにマンションはしっかり建っているじゃないか。なんでそのときに絶対阻止しなかったんだとオレは不思議に思うのである。
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