2006年04月17日(月) |
ホテル・ルワンダ |
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初めてお読みになる方は、言いたい放題ベストのところから題名を見て過去日記をお選びください。
WEB上ではかなり話題になっていた映画だったが、なかなか見に行く機会がなかった。たまたま日曜日に用事が入っていなかったので見に行くことにしたのである。大阪でまだ上映していたのは高槻松竹セントラル、高槻センター街という商店街の中の小さな劇場である。はじめて出かけた映画館だった。
多くの方がこの映画についてブログで取り上げたりしているので、観たことのない人でもどんな作品なのかは聞いたことがある人が多いと思う。1994年にルワンダで発生した民族間の諍いに端を発した大量虐殺を描いている。ネタバレになるから映画そのものの内容やストーリーについて触れることは避けるが、映画を観たオレの印象としては、なぜこれだけのすぐれた作品が日本ではもともと公開予定がなかったのかという謎である。署名運動の結果やっと上映されることとなり、やがて少しずつ話題となって上映館が増えたのだが。アメリカでは2300館で拡大公開されたという。それを思えば日本での取り上げられ方はあまりにも小さかったような気がする。
最初から最後まで息詰まる展開で時間の経つのがとても早く感じられ、見終わった時、不覚にもオレは安堵の涙がこぼれた。そこまで深くこの作品の主人公に感情移入していたからだろう。わずか100日間で100万人の人が殺された事件、しかもその殺され方は大量破壊兵器によるものではなく、ナタのような刃物で一人一人惨殺されたというこの怖ろしい状況を思うとき、人間のちっぽけな理性なんてものがいかに不安定で信頼できないものであるかがよくわかる。その虐殺行為に加担したのは昨日までの隣人なのだから。たった一つこの作品の中で救いがあるとしたら、それは子供たちがむじゃきに遊ぶその姿だったかも知れない。
ルワンダの悲劇は本来その地で平和を監視しないといけないはずの国連や各国の軍隊が撤退した後に拡大した。オレは自衛隊の海外派兵には反対の立場なんだが、あの悲劇的状況にあったルワンダに派遣するということなら迷わず賛成しただろう。まさに「人道的援助」の名にふさわしいからだ。その危険たるやイラクの比ではないのだが。
「ホテル・ルワンダ」の公式サイトには歴史的背景について簡潔にまとめられたページもあり、民族対立が植民地支配の中で人為的に作り出されたものであることがわかる。この作品は恋人同士で見に行くには全くふさわしくない映画である。見終わった後で映画の感想を話す気になんかなれないだろう。そのあまりの悲劇が実話であったという衝撃に言葉を失うからだ。だから見るときは一人で見て欲しい。狭いテレビの画面で鑑賞するのではなく、まだ上映が続いている間に映画館でしっかり観て欲しい。(ちなみにオレが観た高槻松竹セントラルでは5/5まで上映するようである。)ここで描かれた事実について知ることは、21世紀を生きるすべての人々にとっての義務であるような気がしてならないのである。
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