2006年03月06日(月) |
タバコを吸うヤツは野球をするな! |
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引退した高校3年生部員が卒業式の打ち上げで飲酒喫煙して警察に補導されたと言う事件で駒大苫小牧高校がなんと選抜高校野球の出場を辞退するという羽目になったことは報道されて誰もが知ることである。この事件に関して多くの喫煙者は「タバコくらいみんな吸ってるじゃん、見つかっちゃってかわいそうだね」と思うだろうし、多くの非喫煙者は「高校生が、しかも清く正しくすることが求められる高校球児が喫煙とは言語道断である!」と思うだろう。
オレは非喫煙者なんだが、この後者のように正論に毒された考え方でもない。どちらかというと今回の一件で感じるのは「不公平感」なのである。高校球児が清く正しくなんてオレは思っていない。それはプロ野球で活躍するもと高校球児たちを見ればよくわかる。まるでヤクザとしか思えない方も多い。本来清く正しくなんて幻想に過ぎない少年たちに厳格なルールを適用し、その網にひっかかった者をスケープゴートにしているような気がしてならないのである。
たとえば東京大学の合格者と高校球児の喫煙率を比較した場合、おそらく後者の方が圧倒的に高いだろう。本当かどうかは分からないが、高校生の喫煙率は偏差値の低い高校ほど高いと聞いたことがある。そうすれば東大に合格する集団というのはおそらくもっとも喫煙率が低いことになる。東京大学が喫煙を理由に受験生を不合格にすることはない。入学試験の合間の休憩時間にスパスパやっていたとしてもおそらく誰も注意しないだろう。
そこからわかるのは、甲子園に出場するということが東京大学に入学することよりもはるかに厳格な規律を求めるということなのである。それなら「見つかった時にだけ処分する」ような不公平なことをせずに、常に厳重に取り締まるべきである。まず、試合前の唾液検査をやれ! そこで唾液からニコチンが検出された者がいればその選手もしくは学校は出場できないことにするのだ。この試合前の唾液検査を地区予選から義務づけてしまって、「一本でもたばこを吸えば試合には出られない!」というルールにしてしまえばいい。そうすれば公平である。オリンピックでドーピング検査をやってるのと同じように、高校球児のニコチン検査を義務づけてしまうのだ。だったらこんな悲劇は起きないのである。常習的喫煙者のいる駒大苫小牧は最初から予選に参加することもできなかったか、あるいはそのスモーキング部員を退部させていたかのどちらかだからだ。
きっと今回出場を辞退させられた駒大苫小牧の現役野球部員の多くは思ってるはずだ。「他の高校の野球部にはいくらでもタバコ吸ってるヤツはいます。どうしてうちの学校だけこんな目に遭うのですか?」と。駒大苫小牧の野球部監督は、今回補導された元部員たちがふだんから喫煙の習慣があったことを知っていたはずである。そんなことに気づかないほど個々の部員の日常生活に無関心なら甲子園で優勝できるわけがない。その上で放置していたのは「タバコくらい今の高校生はみんな吸ってる」「見つからなかったらそれでOK」と安易に考えていたのではないだろうか。部員の喫煙が甲子園出場を辞退するほどの不祥事であるという共通認識が高校野球の世界にあるのなら、「たばこを吸うヤツは野球をするな」というルールを持ち込んでもさほど抵抗はないだろう。そうやって喫煙高校球児をどんどん撲滅していけばいいのである。
もうかなり前のことだが、甲子園に出場中の愛知県の享栄高校の野球部員が旅館で喫煙しているのを写真週刊誌に盗撮されて報道されたことがあった。大会期間中に宿舎で堂々と吸ってるくらいだから、現場の指導者に「タバコくらい吸ってるのが普通ですよ!」という感覚があったことは確実である。それを「ものすごく悪いことです!」と糾弾したいのならば、しっかりと取り締まるシステムを構築しないとだめだ。今のように「そんな高校球児はいない」という性善説の立場からのとらえ方はもう破綻しているのである。京都大学アメフト部の部員が集団レイプ事件を起こすくらいだから何でもありの時代なのである。
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