2006年02月02日(木) |
日本橋はワンダーランド |
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秋葉原と並んで大阪・日本橋はパソコンオタクたちにとっての聖地だった・・・のだが、ヤマダ電機やヨドバシカメラの大阪進出によって客の減少を招き、地盤沈下が進んでしまった。日本橋も負けてはいられない。ソフマップは敢えてヨドバシのすぐ近くに進出してヨドバシを迎え撃つという戦略を取り、ギガストア梅田店を出店した。結果はあえなく玉砕、ヨドバシの勢いを止めることは到底不可能だったのである。地下鉄御堂筋線梅田駅やJR大阪駅からすぐに行けるヨドバシカメラは大阪で最大の売り上げを誇ることとなった。
しかし、日本橋はまだ負けてはいなかったのである。ヨドバシやヤマダ電機という店に群がるまともな客たちの求めるオモテの文化ではなく、アンダーグラウンドの世界では日本橋がますます進化することになったのである。「非合法なものを買うなら日本橋」という困った状況が生まれたのだ。
今、日本橋には大量の中古パソコンショップが存在する。3万も出せばWINDOWS/XPが快適に動く性能を備えたノートパソコンが買える。新品の光学式マウスを300円で売ってる店もあれば、純正品が3000円くらいするはずのマイクロソフトの光学式5ボタンマウスを、たった780円で売ってる店もある。(偽物かも知れないなあと疑いつつ、それをついつい買ってしまうオレのような変な客もいる。)
道を歩くとDVDを売る露天商がいる。台の上にはまだDVDを発売していないはずの現在公開中の映画が並んでいる。電柱には「海賊版を買わないようにしましょう」という張り紙がある。その前で露天商は平気で怪しいDVDを一枚1000円で売っている。売られてるのはDVDだけではない。ウィンドウズやオフィス、フォトショップなどのソフトを売ってる店もある。全ソフトが1万円程度で売られてるが、もちろんそんなものをよい子は買ってはならない。だったら偽物の疑いのあるマイクロソフトマウスはどうなのかということだが、まさか店側に「これは偽物ですか?」と質問して買うわけにもいかないし、そもそもそんな安い値段で本物などありえないと店も客も理解した上で購入しているのであって、もしかしたらそういうヤバイものを購入しているオレも犯罪を構成する共犯者になってしまうのかも知れないのである。
そうした店の中には、おそらくは中国か香港で作られてると思われる旧ファミコン専用の互換機を3000円で売っていたり、もはや骨董品としての価値しかないNECのPC9801シリーズを販売用に展示している店さえあるのだ。
オレは一度も入ったことがないので全くその様子について語る資格はないのだが、メイド喫茶も多数存在する。そして、オレの守備範囲ではないので全く分からないのだが、フィギュアを売ってる店やアニメ関係のさまざまな商品を大量に並べている店も多数存在していて、めがねをかけて小太りの人たちが出入りしていて、見るからにオタク野郎という感じなのである。オレのようにちゃんとスーツを着てネクタイをしている客は例外中の例外である。中古DVDや中古音楽CDはとにかく安い。100円均一のコーナーでかなりの種類の品物が入手可能だ。この値段に慣れるとブックオフや古本市場なんかでは高くて買えなくなる。
そんなワンダーランド日本橋にオレはたまに仕事帰りにふらりと立ち寄るのだが、どの店に入っても面白くて、いくら見ていても飽きないのだ。これから映画館で観ようと思ってる映画のDVDが1000円で売られていると、ついつい買いたくなってしまうのである。しかし、その中身が極めて粗悪なものであったとしても、文句をつけることも出来ずあきらめるしかない。安物を買うリスクもまたそこには存在するわけで、オレのような用心深い人間は結局そんな冒険をすることはなく、著作権を侵害することもないのである。
経営不振からビックカメラの傘下で再建をはかることになってしまったソフマップの最大の戦略的失敗は、本拠地である日本橋で迎え撃つのではなくてヨドバシカメラの近くにのこのこ出向いて戦おうとしたことである。日本橋というディープな街の魅力の中に存在してこそソフマップは輝くことができたのだ。オモテの明るい世界で戦おうとしても資金力のある大手にはとても太刀打ちできないだろう。オレはまだソフマップが雑居ビルの2階でソフトウェアのレンタルという商売をやっていた頃からの客である。あれから20年近い歳月が流れたのだが、日本橋はあのときも今も、オレのような好奇心豊かな人間にとって多くの快楽を与えてくれる街である。できることならこの街の一角にこそオレは住みたいと思うのである。
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