2005年12月15日(木) |
トワイライト着服エクスプレス |
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オレは一度でいいからトワイライトエクスプレスというのに乗ってみたいと思っていた。大阪から札幌までをゆったり21時間かけて走り、個室や食堂車などを備えた豪華さで有名な寝台特急である。この列車は週に四往復運行している。
JR西日本子会社の「ジェイアール西日本フードサービスネット」が営業しているその食堂車の従業員全員が、13年前からコーヒー代金の一部を組織的に着服していたことがわかった。被害総額は1400万円になるという。退職者も含めると約100人が関与してるそうで、一人あたり14万円ということになる。着服の方法だが、展望車である「サロンカー」からコーヒーの注文があった場合の420円の代金の一部をレジに入金しなかったという単純な手口だった。コーヒーはお代わり自由で、30分経てばポットから捨てるという。そういうわけで分量はいくらでもごまかせるのである。
一往復で平均3600円を着服し、往復勤務の終了後に出番のクルーで分配していたという。一人あたり年間で約3万6000円、使い道はもちろん自由で、チーフパーサーと呼ばれるクルー責任者の指示で長年続いていたという。つまりそれがもはや慣習になっていたわけである。なんともみみっちい犯罪だが、売上伝票を出していなかったという点でこれは着服を可能にしたシステム上の問題という気もする。
ラブホテルが部屋ごとの自動支払機を導入するのは、フロントの係員が料金を水増しして請求し差額を着服するのを防ぐためだと聞いたことがある。ご休憩料金と延長料金で4480円と思って1万円札を出したら、4880円と言われて5120円のおつりがでてきたとして、そこで「料金の計算がおかしい!」と騒ぐ野暮な客はいない。それに味を占めてホテルのフロント係のおばはんはわずかな金額の水増し請求を繰り返す。それに気づいた客は来なくなる。ホテルの評判も悪くなって結果的に経営者が損をするわけで、それを防ぐために自動支払機を設置するのである。
チェーン店の外食産業で食券制を導入しているところは、店側が売り上げをごまかすのを防ぐ目的がある。売り上げの○○%という形でロイヤルティーを元締めが得ている場合、その売り上げをごまかされてしまうとフランチャイズ店からの収入が減ってしまうので食券の売り上げをチェックすることでごまかしを防ぐのである。つまり、お金のやりとりをする業種はどこも「従業員は必ずゼニを着服する」という従業員性悪説に基づいてシステムを構築しないといけないのである。もっともトワイライトエクスプレスの食堂車の場合は、個人の犯罪ではなくて従業員ぐるみで行っていたわけで発覚しにくかったのだが。
今回のお詫びにJR西日本は今後はコーヒーの代金をとらないことにすればどうだ。もともと飛行機よりも高い料金をとっているのである。それくらいのサービスがあってもいいじゃないかとオレは思うのである。国際線の飛行機みたいに酒の飲み放題にしろとは言わないが。
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