2005年11月19日(土) |
そのマンションは取り壊すのか? |
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地震で崩れるようなマンションなら誰も買わないのは当たり前である。しかし、絶対に崩れないようにと必要以上に強度を持たせて建築すれば莫大な経費が掛かる。耐震性を満たしながらもできるだけコストを削減して作るという相反する条件の中で建築士たちはベストを尽くしてるのである。もしも建築コストをかなり安く上げてくれる魔法の設計を出してくれる建築士がいれば、そこにじゃんじゃん仕事が殺到するのも当然という気がする。
首都圏のマンションなど21棟の建築確認に偽造した構造計算書が使われたとされる問題で、姉歯秀次1級建築士(48歳)は偽造を認めた上で、「仕事を増やしたかった」などと語ったという。8月5日にオープンしたばかりの「京王プレッソイン茅場町」(地上14階建て、265室)は宿泊客の安全を考えて営業休止が決まった。
偽造された構造計算書は国交相が認可したコンピューターソフトを使って構造計算されていた。このソフトでは、建物の柱や梁(はり)の本数、建物にかかる外力の数値などを入力し、計算の結果、必要な強度を満たしていると判定されると、計算書の各ページの左上部分に、8ケタの英数字の「認定番号」が印字されることになっている。もしも必要以上に鉄筋を減らして壁を薄くするとコンピューターは「強度不足」と判断して認定番号の印字されない不合格の書類しか出さない。姉歯設計事務所では認定番号のない書類を正規の数値を入力して計算した別の書類の間に紛れ込ませていたという。
もっともその不備のある書類を審査してそのまま通過させ建築確認をした民間の検査機関であるイーホームズ側は責任を否定している。これではなんのための検査機関なのかわからないのである。こいつらもおそらく手抜き建築の共犯だろう。いったいいくらもらったんだ?
さて、この危険な建築物21棟の建て直しに関する費用はいったい誰が負担するのだろうか。オレはそれが気になるのだ。そのマンションを買ってしまった哀れな被害者たちは払う必要はないだろう。この建築士一人に負担させても破産して終わりである。オレは施工元のゼネコンである木村建設や、この建築事務所を指定して発注したヒューザーなどのマンション開発会社にも負担させるべきだと思っている。こいつらもプロのはずだ。「こんなにコストを下げて建てたら危ねえぜ」と軽口を叩きながら手抜き工事を率先してやっていたに決まってるのである。低価格を売り物にして実績を伸ばしてきたヒューザーなどまさに故意犯である。このカラクリのおかげでしっかりと儲けてるはずである。どうやら悪いのは姉歯一級建築士だけじゃなさそうだぜ。
「おぬしら、みーんなそろってワルじゃのう。」
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