2005年09月21日(水) |
今日からあなたもコテコテの関西人! |
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関西弁にはいろんな特徴がある。その特徴の中のどれか一つだけでもマスターすれば、たちまち関西弁が上手くなる。今日はその中でもとっておきのルールをひとつ説明しよう。それは関西弁における「一音節名詞長音化」の原則である。一音節名詞というのは「手」「目」「歯」「毛」「木」などである。これらを標準語で発音すると「て」「め」「は」「け」「き」なのだが、関西弁では「てぇ」「めぇ」「はぁ」「けぇ」「きぃ」となるのだ。
もう少し長文で説明するとこうだ。標準語で
「ぼく、手から血が出ちゃった。」
(ぼく、てからちがでちゃった)
と語るのを関西弁ふうに言うと
「わい、手から血でたんや」
(わい、てぇからちぃでたんや)
となってしまうのである。漢字混じりの文章に書けばこの差はほとんど感じられないのだが、発音すると全然違うのである。直接この江草がコテコテの関西風味で発音するのを聞けばおそらく両者の劇的な相違に気が付くだろう。
もしもあなたが恐喝などを主たる生業にしていて、相手に恐怖感を与えるために敢えて関西弁をマスターしたいと思うなら、最初に身につけるべきはここであげた原則である。恐喝によく使われることばを例に使って説明してみよう。標準語ではこんなふうに因縁をつけるらしい。
「きみ、どうしてぼくにガン付けてくるんだい?」
関西人にとっては噴飯ものの言い方だが、もしかしたら相手が笑って戦闘能力をなくす効果を狙ってるのかも知れない。関西ではこうだ。
「ワレ、いまメンチ切ったやろ?」
ここで最初に使う「ワレ」という語は、平板な読み方をしないでアクセントを前に置いてしまうと「おまえ」という意味にならずに「我」という自己の意味になってしまうからむずかしい。昔、ミス花子という人が歌った「河内のオッサンの唄」というレコードにはこの「ワレ」という語がたくさん出てくるので、どうしても発音がわからない人は当該レコードを入手して聴いてみるといい。
さて、因縁のつけ方の続きだ。
「どこに目(めぇ)つけとるんじゃボケ。しまいに血(ちぃ)見るどアホンダラ」
ここで、「めぇ」「ちぃ」と発音できずに「め」「ち」と発音してしまうともうダメである。全然怖くないのである。すぐに相手から舐められてしまうのである。そんな似非関西人などちっとも怖くないのである。
「舐めとるんはおまえじゃボケ。ドタマかち割ったろか。ケツの穴に手(てぇ)突っ込んで裏返しにしたろか……」
そんなこと本当にできるのか?
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