2005年09月16日(金) |
超高層ビル、まるごと売ります! |
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関西空港の対岸に、大阪府の第三セクターによって9年前に650億円掛けて開業した56階建ての超高層ビル、りんくうゲートタワービルがある。都心部からかなり遠いという不便さと、空港でもなく都心でもなくその間という中途半端な立地条件、建設費に合わせたバカ高い家賃やテナント料などが災いして、空き室だらけの無惨な状況でろくに賃料収入もなく、仕方なしに大阪府が国際会議場などに利用してその利用料という名目で赤字補填をしていたのである。そんなものくらいでは焼け石に水なんだが。
三セクが失敗するのは日本全国至る所に見られる現象である。能率やコストという言葉とは無縁な生き方がしたいから連中は公務員になったのである。三セクであろうと何であろうと、いまさら「経営」なんてことができるわけがないのだ。結局この三セク、ゲートタワー社は今年4月に会社更生法を申請、見事に破産することになったのである。
更生手続きの中身では、ビル建設の融資をした銀行団は390億円、大阪府は23億円の債権放棄が要請されている。そしてこのビルは新たに新生銀行などが参加する企業連合に売却されることになったのである。売却価格はたったの45億円、これは建設費650億円のわずか7%である。この壮大なビルがたったの45億円で買えるのだ。不便極まりない場所にあるとしても値段から言えばかなり魅力的である。いくら魅力的とは言っても残念ながらオレの手元にそれだけの資金はないので今は買えないのだが。
こんな無駄なビルがなぜ存在するのか。関空の対岸に埋め立てによって作られた「「りんくうタウン」では、せっかく造成したのに相場よりも高すぎて売れない土地がほとんどだった。そのど真ん中にそびえ立つ象徴的存在のこのりんくうゲートタワーも、バブルの絶頂期で人々が正常な判断力を失っていたからこそ建てられたのである。そんなところが流行るなんて、常識で考えてもありえないことだからだ。関西空港から鉄道ですぐになんば、新大阪、天王寺などに行けるのになんでわざわざこんなところに途中下車しないといけないのか。関西空港はもう目の前なのになんでそんなところにいちいち降りるのか。こんな中途半端な場所で商売をしようということが全く不可解なのだ。それは大阪行きの夜行バスの乗り場の前で、不味くて喰えないたこやきを売ってるような不毛の行為なのである。明日になれば美味しい本場のたこやきが喰えるのである。わざわざその前で似ても似つかぬまずいものを喰わなくていいのだ。
もしもたったの45億円で本当にこのビルの権利まるごとが手にはいるのなら家賃も現行の1/10まで下げられるのだ。いくら不便でもそこまで値下げできるなら、大阪市内から貧乏人を呼び寄せることも可能だ。誰かオレに45億円貸してくれる銀行はないのか。オレを社長に起用してくれるのなら、このビルを100%活用して連日超満員にできるプランをいくらでも用意してやるぜ。
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