2005年09月15日(木) |
寝返った男、その名はナカソネ |
携帯用URL
| |
|
中曽根康弘と言えば偉大な政治家である。政治的ポリシーも節操もなく、そのときそのときで自分にとって都合のいい方に味方をし、風見鶏の愛称で国民に長く親しまれてきたのである。レーガン大統領とはおたがいを「ロン」「ヤス」と呼び合うほど親しかったと言われてるが、こんなオッサンからいきなり「ロン」と呼ばれたらかなり迷惑だっただろうと思われる。
彼がその卑怯な資質を最高に発揮したのは、あの三角大福と呼ばれた総裁選挙である。弱小派閥を率いる中曽根康弘は早々と総裁選には出ないことを表明し、佐藤栄作の後継者と目された保守本流の福田赳夫ではなく、対抗馬だった田中角栄の支持に回った。その結果、田中角栄が総理大臣になったのである。みんなが忘れてしまってもオレはしっかり覚えているぜ。後に中曽根康弘が総理になったときには、田中角栄がしっかりと後押ししていたのである。ちゃんと両者には取引が成立していたのだ。
そんなオヤジの血を引いたのか、息子の中曽根弘文もやっぱり風見鶏だったのである。先の国会で郵政民営化関連法案が参議院で否決される流れを作った張本人である参院旧亀井派の中曽根弘文は、自分がそんな大それたことをしたために総選挙になってしまい税金を700億円も無駄遣いさせてしまったことへの反省のカケラもなく、手のひらを返したように態度を一変させた。9月13日に都内で行われた記者会見で彼は、特別国会に再提出される郵政法案への対応について、同派の反対派11人全員が賛成に回ることを明らかにした。これで参院反対派のほとんどが賛成に転じることになり、法案可決が決定的となったのである。そんなことなら一ヶ月前になぜそうしなかったのかとオレは言いたいのである。
自分の行動がどんな大混乱をもたらすかということにまで考えが及ばないこの馬鹿一人のせいで、多くの民主党の議員が落選し、その代わりに辻元清美や鈴木宗男という犯罪者が議員になってしまった。なんと罪深いことだろうか。この中曽根弘文の行動が、実はコイズミ首相の密命を受けて総選挙に持ち込むための周到に仕組まれた作戦だったのなら「すげぇ!」と素直に感動するのだが、コイズミはたぶん中曽根父子は大嫌いのはずだからそんな重要な作戦を授けることはありえない。おそらくただの馬鹿が起こした混乱がたまたまコイズミに利用されたというだけのことである。記者会見で中曽根弘文は「衆院選で国民の意思が明らかになった。国民の明確な意思を重く受け止め、尊重し、今後の郵政改革問題に対応していきたい」と卑怯にも述べたという。
親子二代の風見鶏政治家、やはり血は争えないものである。
前の日記 後の日記