2005年09月12日(月) |
総選挙、民主党はなぜ負けたのか? |
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自民党の歴史的大勝利ということは、同時に民主党の歴史的大敗を意味する。前回総選挙で獲得した議席を一気に失い、政権を狙うどころかただの弱小政党になり下がってしまった民主党はなぜ負けたのか。その理由をオレは考えてみたい。
まず一番の失敗はあのCMだ。岡田代表のあの気むずかしそうな顔、いったい何を怒ってるんだ。あの不機嫌そのものという顔をいやというほど見せられた国民の多くは、民主党が負ければ党首辞任だからこの変なオッサンの顔なんて見なくてもよくなると思ったかも知れないのだ。何が「日本をあきらめない」だ。まるで昔、土井たか子が消費税に反対して「ダメなものはダメなんです」と同じくらい情けないキャッチコピーじゃないか。「あきらめない」なんて、初めから負けているじゃないか。何をあきらめないんだ? 主語がないとわからないぞ。もしかして「(中国は)日本(属国化)をあきらめない」なのか?
第二の失敗は民主党のマニフェストの中身だ。岡田は「年金一元化」という主張を行い、その財源として(将来は20%に上げる予定の)消費税を想定したわけだが、そんなむちゃくちゃな政策を誰が受け入れるというのか。そんな政策を喜ぶのは、国民年金を払ってる人と国民年金を踏み倒している人だけである。会社勤めをして厚生年金を掛けている者や、公務員となって共済年金を掛けている者にとって、年金一元化というのは自分が毎月ピンハネされている巨額のゼニが、ろくに掛け金をかけてない貧乏人にも等しく分配されてしまうということなのだ。そんなところのゼニとはきっちり分けてくれというのが本音なのである。無年金者をなくすということは、裏返せば踏み倒しを正当化することである。そんなのひどいじゃないか。高額の負担に耐えてる者から見れば、払わないヤツらは野垂れ死にしろというのが本音だ。年金の正しい差別化こそ、実は国民に支持されるのである。
共済年金や厚生年金の毎月の掛け金は国民年金の数倍である。それだけ多くのゼニを払ってる以上、多くの年金をもらえて当たり前なのであり、こんなものを一元化されたら困るのである。自営業でとてつもない収入がありながら税金をごまかしてろくに払わず、公立の保育所にベンツでガキを送り迎えし、最低の国民年金も踏み倒してる連中と一元化なんかされたくないのであるい。その意味がわかってるサラリーマンや公務員は民主党に入れるわけがないのである。もちろんその配偶者も入れないのである。岡田はそうなることが読めていなかったのか。
「所得が同じなら同じ保険料負担」なんかさせられるわけがないだろう。今でも踏み倒してる者が多いフリーターや自営業者が、掛け金が数倍に跳ね上がった年金の掛け金を払うわけがない。さらに未納率が増えて年金会計は悪化するのである。ここでオレが同意できるのは無駄遣いばかりする社会保険庁の廃止だけだ。ただ、オレなら廃止ではなくて「社会保険庁の幹部を全員国民に対する背任罪で告発する」という内容にしておくがな。
党代表の戦略的失敗がもたらしたこの歴史的大敗の責任をとって岡田が退陣するのは当然のことだが、この結果日本の政治の流れが小泉独裁に大きく流れていってしまうのなら、それもまた少し心配である。独裁のわりには道路公団解体や官僚の天下り全面禁止などという本当にやらなければならないことは全くやる気なしだからな。小泉もしょせんは財界の忠犬だ。税金が公共事業に無駄使いされて借金がどんどん増えていくという構造的問題を解決しようという意欲は全くない。ただ、これで株価が急上昇してバブルが再現され国民の所得が増えるのならば、インフレが発生して借金が軽くなるなんてことを期待してるのだろうか。まあ、どうなろうとオレはただの野次馬なんだが。
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