2005年08月28日(日) |
最後にボロ株をつかむのは誰だ? |
携帯用URL
| |
|
銘柄名をクリックして表示されるチャート画像はすべてこの日記が執筆された時点でのそれぞれの銘柄の直近6ヶ月のチャートで、現在の株価を表示してるのではありません。
株がどんどん上がるのである。郵政否決の8月8日、瞬間的に日経平均は11600円台に下げたがすぐに反発、わずかの期間に12500円とたった2週間でかなり上昇した。すでにかなり高値圏にあるのに、外資が銀行株中心に買ってきて日経平均をガンガン上げるもんだから、個人投資家も「持たざるリスク」を感じたのかせっせと追随買いしている。多くの銘柄が直近の高値を更新し、さらに買われてる現状だ。今下げてる主力株はSONYだけという声さえ聞かれるほどだ。
持ち株が値上がりしてると個人投資家はフトコロに余裕ができる。そんなときにどうするかというと、その余剰資金でボロ株に手を出すのだ。株価が二桁の銘柄をゲーム感覚で売買するのである。しかし、30円が60円になるということは資金が単純に倍になるということである。1000円が1050円になって5%増えるだけでも普通なら満足しないといけないのに、こんな倍々ゲームに味を占めた個人投資家はどんどんボロ株相場にハマって行くのである。なんと怖ろしいことか。
例えば森電機という銘柄がある。会社四季報で見れば経常利益は2001〜2007予想までずっと大幅赤字だ。なんで上場廃止にならないのかと思うほどの惨状である。もうこの会社は打つ手が無くなって「何をしたらいいのか」と悩んでるほどの状況なのだ。従業員も17人しかいないのである。5月5日には年初来安値12円を記録している。
その株に個人投資家が突如群がったのである。6月28日には102円まで上昇した。なんと44日で8.5倍となったのである。ところが森電機はそこから急落、二日後には半値近い55円まで暴落し、多くの個人投資家が逃げ遅れて阿鼻叫喚の地獄図になったのである。その後の株価は50円〜40円台を推移していたのだが、8月12日の43円から再び急騰して8月27日の終値は82円、さらに週明け8月29日には一気に98円まで上昇したのである。懲りない連中が多いのである。今買ってる人はたいてい「前回の高値102円までは上がるはずだ」と思っている。少なくともそれくらいの期待がないと買えないし、オレもそのくらいはいくと思う。そして株価なんてものは幻想だ。ボロ株であっても、市場がそこに500円という値をつければそれは500円なのである。1000円とつけるかも知れないのである。だからみんな買うのだ。
オレはこういう銘柄は絶対に触らない。これこそ究極のバクチだ。(といいつつ、また12円になれば買ってもいいかなとは思うが・・・)二桁銘柄の中には2月4日に同じく12円をつけていたIBダイワという銘柄もある。こちらは今なんと276円だ。23倍になったのである。1億円買っておけばそれが23億円になったわけだ。おそらく今、森電機を買ってる連中も、そのボロ株が200円くらいまで上昇するという夢を見てるのかも知れない。しかしそれがはじけた時、あっという間にゼニがなくなってしまうというリスクをわかってるのだろうか。
ボロ株投資は究極のババ抜きゲームである。自分よりも高く買う馬鹿に株を押しつけ合ってるのだ。またこういうボロ株には東証が規制を掛けていて空売りできないのが普通である。そういうわけでこのゲームには「買い」で参加するしかない。自分よりももっと馬鹿なヤツがもしもいればそいつがボロ株を買ってくれる。そうして次々と馬鹿へバトンが渡されていき、最後につかむのは一番の馬鹿。究極の馬鹿。超弩級の馬鹿なのである。タダの紙切れを虎の子の資金で買ってくれるのである。明日になれば倒産するかも知れないボロ会社の株を・・・。なんと怖ろしいことだろうか。下げだしたらもう止まらないのである。そんな投資は心臓に悪いのである。オレにはとてもできないのである。実のところ、オレは投資に関してはかなり臆病なのである。
追伸こちらのブログで紀州製紙のことも書いています。
前の日記 後の日記