2005年08月27日(土) |
その10億円はどこに消えたんだ? |
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12年間で10億円を使うことが普通の人にできるだろうか。周囲に全くバレないようにそれだけの金額を使うことが果たして可能だろうか。お札をじゃんじゃん燃やしでもしない限りそれはかなり困難である。その不可能なことを実際に行った女がいたのである。
東京三菱銀行の元派遣社員の女性(54歳)が約12年間にわたって顧客十数人の預金を着服し続け、その被害額が計9億9000万円にのぼっっていて、この女性は6月に業務上横領の疑いで神奈川県警に刑事告訴されていたのである。もしもそのゼニをそっくりそのまま返すことができれば銀行は内密に処理しただろうから、ゼニはそっくり使われてしまっていたということである。つまり、10億円がすべて消えてなくなったのである。
この元派遣社員の女性は東京三菱の人材派遣子会社「ダイヤモンドスタッフサービス」から神奈川県内の支店に派遣されて渉外担当をしていたという。着服の方法は顧客に「金利の高い特別な商品がある」と架空の話をもちかけて預金を引き出させて、そのまま自らの口座に移し、定期的に金利分を顧客側に払い込んで信用させていたという。取引の内容を不審に思った顧客が5月に銀行側へ問い合わせたことから発覚したという。横領した9億9000万円のうち、7億4000万円は借金返済などに使ったという。ではそんな巨額の借金はどうしてできたのかとオレは不審に思うのである。いったい何を買えばそんな借金になるのか。
この件で東京三菱銀行は「内部管理が不十分だった」として畔柳信雄頭取と三木繁光会長の報酬を2カ月間20%カットするなど、役職員7人を減俸処分にしたという。そんな末端の派遣社員のやったことにどうして頭取が責任を取らされるのか、それはなんだか理不尽である。ゼニを扱う仕事をするヤツの中に、そのゼニをちょろまかそうとするヤツがいることは当たり前だ。それを理解した上で内部チェックを厳しくしないといけないのであり、またそんな口車に乗せられてゼニを預けた顧客にも責任の一端はきっとある。おそらく、金利がつくのでラッキーとでも思っていたのではないだろうか。その上、だまされたから元本を返せと銀行に迫ったのだろう。ある意味それは自己責任であるという気もするのだ。そんなうまい話があるわけないのである。
女の犯す犯罪の陰には必ず男がある。この女の横領したゼニの上前をはねていた男は誰なんだろうとオレは思うのだ。さて、この女は男の存在を白状するのだろうか?
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