2005年06月05日(日) |
こら! 水はタダじゃないんだぜ |
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オレはミネラルウォーターを買ったことがない。ペリエなら買ったことはあるが、あれは天然の炭酸水だから違う。そもそもただの水にどうして高いゼニを払わないといけないのかと思っている。しかし、水の味に違いがあるのは事実だ。その違いはそのまま飲むときよりもお茶やコーヒーにしたときにより顕著に出るらしい。そのため世の中にはその単なる水にゼニを払う人が多いのも事実だ。
先日コンビニでH2Oと大書したペットボトルが売られていた。ただの水がそうしてゼニになるのなら、家でじゃんじゃん詰めて販売したら・・・と言いたくなるが、名水というのはやはり地下水でないとだめらしい。そういうわけで首都圏に近く、富士山のふもとでわき水にも恵まれた山梨県と言えば名水の産地で名高いのである。山梨県内の生産量は記録が残る1999年以降6年連続日本一で、99年の38万キロリットルが2004年には53万キロリットルに伸び、国内シェアの約4割を占めているのだ。
水の場合かなりの重量になるので輸送コストが掛かる。ところが山梨なら東京までかなり近いから輸送費を節約できるのである。そのため最大手のサントリーを含めた30社が地下水を採取しているわけだ。県はそこに目をつけて「ミネラルウォーター税」の導入検討に入った。もちろん業界側は反発を強めている。「課税の根拠がない。導入前提では応じられない」というふうに。もっとも税額は1リットルあたり0.5円だから500CCのペットボトル一本で0.25円という軽微な金額である。
さて、オレはこの課税には賛成だ。その理由は、この地下水の大量使用が環境に与えている影響が極めて大きいからである。富士山麓のあちこちにあるわき水は、決して数日前に降った雨がすぐにわき出してるのではない。降った雨は数十年の時を経てやっとわき水の形でしみ出してくるのだ。今利用している地下水は数十年前に降った雨であり、そうして長い期間かけてわき出す水は一種の高価な地下資源のようなものである。豪快に使い続ければいつかは枯渇するということを忘れてはならない。途中からの補充が効かないのだ。一度枯れてしまえばもうおしまいなのである。
そんな貴重な「地下水」という資源をじゃんじゃん使って利益を上げておきながら、税金の支払いには応じないというのは虫が良すぎるんじゃないか。昔から日本人は「水はタダで手に入る」と思っていたわけだ。しかしタダでもらってもいいのはオカンの愛情だけだぜ。それすらも最近はタダじゃない場合が増えてそうだが。
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