東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランド（ＯＬＣ）は個人投資家に人気がある。３月と９月の権利確定時には優待券目当てに購入する投資家もいて、株価は6000円台後半を保っていた。そのＯＬＣが、清掃業務を指定暴力団松葉会元最高顧問で右翼団体連合組織「全日本愛国者団体会議」名誉議長である志賀三郎氏の関連企業である中央興発に委託していたことが報道され、株価が急落している。３月末には7000円を越えていて、その後日経平均も大きく下げたのでそれに引きずられるようにゆるやかな値下がりを続けていたのだが、この報道を受けた５月20日には急落して一時は安値を更新して6350円という値をつけたのだ。

　ただ、この志賀三郎氏という人物は江戸英雄・元三井不動産社長や、川崎千春・元京成電鉄社長（お二人ともすでに故人である）と親しく、ＯＬＣそのものが京成と三井不動産などが出資してできたという経緯もあり、これがかなり古くからのつながりであったことはどうも事実のようである。

　中央興発は実際の清掃業務を白青舎（ジャスダック上場）に委託しており、丸投げで３億7000万円の利益を得ていた。クリーンなイメージを大事にしたいテーマパークにとってこの報道はかなりの痛手で、株価が下がったのも当然だろう。ただ、オレが気になるのはＯＬＣはこの報道の少し前、ＴＯＢによって、親会社の京成電鉄が保有するＯＬＣ株を取得することを発表していたことだ。ＴＯＢ価格は6050円で、現在の株価よりもかなり安い。そこにオレは何かを憶測してしまうのである。あくまで単なる憶測なのだが、この報道やそうした情報のリークは株価を下げるために意図して行われたものではないのかと。

　このＴＯＢの目的は、時価総額がＯＬＣよりもはるかに安い京成電鉄が親会社になっているというねじれ現象。つまりフジテレビとニッポン放送みたいな関係を解消するためである。市場価格よりもかなり安い価格でのＴＯＢを発表したのは、そうすれば他の関係ない大株主が応じないからである。あくまで資本のねじれた関係の改善だけが目的なのだ。しかし、あまりにも市場価格との開きがあると、今度は安く株を売却したことで京成の株主が怒るかも知れない。そういうわけで値下がりを狙ってこのニュースを流して・・・うーん。どうせ単なる偶然なんだろう。深く考えすぎてるのはオレだけかもなぁ。

　しかし、一番可哀想なのは持ち株が大きく値下がりしてしまった個人株主じゃないかなあ。たった100株でも70万から63万と一割も目減りしたんだぜ。全くひどい話だぜ。オレが株主なら株主代表訴訟を起こしたくなるぜ。

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