2005年05月03日(火) |
マネックス・ビーンズの大いなる誤算 |
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私がネット株取引に利用していた日興ビーンズ証券は、マネックス証券と2005年5月1日に合併して「マネックス・ビーンズ証券株式会社(MBH)」となった。そのためにWEBサイトも両社のものが一つに統合されて5月1日から運用開始されたのだが、合併初日である5月2日月曜日、両社でネット株取引しているユーザーたちはパニックに陥ったのである。なんと、寄り付き(その日の取引の始まる時間、午前9時のこと)の時点で多くのユーザーが接続不能に陥ったのだ。
取引画面にログインするにもなかなかその画面が出ない。出ないままに画面が固まってしまう。やっとログインできたとしても画面の切り替わりが遅く、注文を出そうとしている間に値段がどんどん動いてしまってチャンスを逃す。画面をクリックして売買注文を出すのに30秒も掛かればもはやそれは電話注文と同じだ。連休の谷間でデイトレをしようとした多くのマネックス・ビーンズの顧客たちが、売買注文が出せないというひどい目にあったのである。
トラブルの原因はトレーディング・システムを構成するサーバ群の外側にある「ルーター」という機械のCPU使用率が100%まで振り切れてしまったことが原因らしい。このルーターは、www.monex.co.jpというようなURLアドレスを、インターネット上にあるシステムの本来の住所(IPアドレス)に変換したりする、インターネット上の道路案内板のような機械だという。合併に伴うアクセス集中でこのトラブルは発生した。要するに見通しが甘かったということである。
今日起きたトラブルに関して、マネックスビーンズ証券は賠償するつもりはないらしい。しかし、実際に顧客は損しているのである。例えば6316・丸山製作所は今日1020→1100円(+80)と急上昇した。連休の谷間で参加者が少なく場が閑散としている中、仕手株に短期資金が集まるのは道理である。なんの材料もない200円の低位株が、半年以上かけて5倍以上の価格に吊り上げられたのである。今、この銘柄は「上がるから買う」「買うから上がる」という状況にある。もちろん、買ってる人が急に弱気になってしまえば、いつ暴落が始まってもおかしくないのだが。もしも私がデイトレするなら、寄り付きから少し下げたところ(たぶん1040円付近)で迷わずこの丸山製作所を買って、1100円を超えたら手堅く利益確定するというパターンで戦っていただろう。しかし、マネックスビーンズ証券を使うオレは、もしも家でネット取引していたらその時間に接続不良で取引画面にたどり着けないという悲劇を味わうことになっていたはずだ。もちろんそんな時は電話での注文も可能だ。しかし、殺到した抗議の電話でほとんどつながらなかったそうである。
オレは帰宅してさっそくマネックスビーンズのWEBサイトに接続して、自分の注文約定の履歴を確認した。一件の予約注文が約定しているのを確認。どうやら予約注文には影響なかったようだ。ネット取引の会社選びはシステムの安定性が一番である。今回のトラブルに関してマネックス・ビーンズ証券は、接続できなかった客の逸失利益に関して誠実に補償すべきである。後出しならなんとでも言えるからなぁ。「オレは丸山製作所を100億株買うつもりやったんや。そやのに画面は重いし電話もつながらへんし、いったいどないしてくれまんねん。8000億円儲け損ねた分あんたらがワシに払ってくれまんのか?」
全くひどい話である。
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