2005年04月26日(火) |
脱線事故はなぜ起きたのか? |
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4月25日9:20頃、尼崎市のJR福知山線塚口―尼崎駅間で、宝塚発同志社前行き快速電車(7両)の前5両が脱線し、1、2両目は線路脇のマンションに激突、大破するという大事故が起きた。先頭車両はマンションの立体駐車場をぶちこわしてそのまま一階部分に突入、2両目はマンションを巻くようにL字型に折れ曲がった。26日午前、死者は73名、負傷者は441名と報告され、近年例を見ない悲惨な事故となった。
この快速電車の運転士は23歳で経験11ヶ月、現場手前の伊丹駅でもオーバーランしていったんバックし、1分30秒遅れで運行していた。過去にもオーバーランするなどの運転ミスがあって再教育を受けていたという。脱線現場は右カーブで制限速度は時速70キロ、しかし車掌や乗客は「いつもよりも速度が出ている感じがした」と証言している。これらの状況証拠は、この運転士を有罪にしようと働いているのだ。どちらかというと罪があるのは、カーブの部分の線路に脱線対策を施さなかったJR西日本の怠慢であるのに。
さて、なぜこの脱線は起きたのか。遅れを取り戻そうと速度を上げてカーブを曲がりきれないくらいに加速してしまったのか。クルマの運転と違って鉄道の場合、脱線しかけた車両をうまく制御してまた元通りに走らせるなんてことは不可能だ。脱線したら即、大惨事である。それが時速100キロ以上の速度ならどれほどの大事故になることだろうか。
ところがJR西日本では脱線の原因を「置き石」だと推定していて、粉々になった石の破片を発見したとしている。実はオレはこの発表を信じていない。単なる運転ミスでこの事故が起きたことと、置き石のせいで起きたことの間には自己の責任を巡って雲泥の相違がある。うがった見方だが、この「置き石」云々はもしかしたらでっち上げかもとゲスの勘ぐりをしてしまうのだ。夜中ならまだしも、みんなが見ている時間帯に、ひっきりなしに鉄道が通過する路線でそんなイタズラをすれば必ず目撃されるじゃないか。
しかし、本当に置き石が原因なのだったとしたら、その犯人には死刑以外ありえない。元気よく「行ってきま〜す」と家族に告げて家を出たのが、こんな無惨な形で命を落とすなんて誰が思っただろうか。一瞬のうちに事故の犠牲となって死んでいった人たちはどれほど無念だっただろうか。なぜこの事故が起きたのか? 今となってはそれをきっちりと究明することが、せめてもの亡くなった方々への供養である。オレは犠牲になった方々の冥福を祈っていたい。
安全なはずの公共交通機関でこのような事故が起きたことが、今でもオレは信じられないのだ。オレみたいな乱暴なドライバーが事故にも遭わずにピンピンしていて、何重にも安全対策されているはずの鉄道でこのような事故が起きてしまう。なんと世の中は不条理に満ちていることか。明日から一つだけ確かなことがある。それは、鉄道の先頭車両に乗る人が確実に減るだろうということである。怖くて鉄道に乗れなくなる人だって出るだろう。原因が究明されて不安が取り除かれない限り・・・
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