2005年04月16日(土) |
こんなもん造ったのはどこのアホだ? |
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関西文化学術研究都市の一角、JR学研都市線祝園(ほうその)駅から奈良交通バスで5分のところに「私のしごと館」という巨大ハコモノ施設がある。これは独立行政法人「雇用・能力開発機構」が、中学・高校生の職業意識向上のために1993年に580億円も掛けて建設したものなんだが、京都や奈良への修学旅行のついでに立ち寄れるようにと京都・奈良県境付近にわざわざ配置したのである。
はっきり言ってこの施設の中身は全くつまらない。職業体験といっても子供だましだし、伝統工芸の世界なんかは今の子供達の持つ世界とは落差が大きすぎる。当然のことだが、こんなところに貴重な修学旅行中の一日を使うよりも、子供達はUSJの方が面白いに決まっている。そういうわけで、せっかく造ったのに訪れる修学旅行生はわずかで、一般客に至ってはほとんど皆無という状況だったのである。昨年度の収入はたった1億1000万円だ。
ところがここで働く職員はみんな高給取りばかりなのである。職員27人の年間給与だけで2億4726万円、平均年収915万円だ。民間企業からの出向職員や臨時職員分も含めると人件費は6億円を超え、総収入の6倍も掛かっているのである。それに情報システム管理料を加えた施設全体の維持管理費は21億円。民間企業ならありえないような状況である。それでも施設を維持できたのは、この足りない分はなんと企業からぼったくった雇用保険料でカバーされていたからだ。
引きこもりやニートと呼ばれる若者が増加し、フリーター人口も年々増える一方である今、職業啓発に力を入れたいことはよくわかる。しかし、こんな無駄なものを造るよりももっとまともなゼニの使い方があるはずだ。失業者が増加して乏しくなってきている雇用保険のゼニを、こんな施設のためにドブに捨てているのである。なんて気前がいいんだ!
仕事につかない若者や、やる気のない若者が増えた理由は単純だ。遊んでいても喰えるからである。平均寿命が延びて親はいつまで経っても元気だし、退職しても今なら年金が充実していて食うに困らない。オレオレ詐欺に引っかかるのは払うだけのゼニがいつでも手元にあるからだ。そんな親だから、スネをかじりながらずっと遊び暮らせるのだ。なんてうらやましいんだ。オレもそんな家に生まれたかったぜ。あいにくオレの実家はかなり貧乏で、大学生のうちからオレはバイトで自分の生活費を稼がないといけなかったよ。おかげでどこでも生きていけるタフさだけは身に付いた。ゼニの稼ぎ方も学んだよ。
私のしごと館なんて変なモノを造っておせっかいしてやらないと今の若者は働かないのか? 飢え死にしそうに追いつめられたらきっとなんとかするだろう。誰だって死ぬよりも働く方を選ぶはずだ。えっ?「ぼくは働くくらいなら死んだ方がいい」だったらさっさと死ねよ。
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