2005年04月15日(金)

パラダイスを目指す人たち

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　沖縄県の石垣島ではここ数年、本土からの移住者が急増しているらしい。人口45000人という石垣市に、最近２年間の転入人口は3000人増、住民票を移転しない人も含めれば5000人を超えるという。もっともこれは石垣島に限ったことではない。沖縄県全体では２年間で５万1500人が本土から移り住んでいるのである。もっともこの中には転勤などで一時的に移り住んでいる人も含まれるのだが。

　しかし、移住しても問題はどうやって収入を確保するかである。オレみたいにネット株取引で生活費を稼ぐ自信があれば全く問題はないのだが。定年退職して年金生活するようになった老夫婦ならとりあえず暮らしには困らないだろう。マイホームを購入するにしてもかなり安いわけだし、賃貸住宅の家賃も大都市にくらべてはるかに安い。ある程度の蓄えのある人にとってはオイシイ選択肢といえるだろう。問題はそれほど蓄えのない働き盛りの30〜40代の人たちや、本土で就職できなかったフリーターの若者などが入ってくることである。それもろくに下見もしないでいきなりやってきたりするのだ。無謀というかアホというか、楽天家というか、とにかく地元の住民にとっては迷惑このうえない存在である。

　彼らは石垣島での仕事を求めてやってくるのだが、島には本土以上に仕事がないのである。希望を求めてやってきてもすぐに「生活できない」という現実にぶち当たるのである。沖縄県の失業率は国内でトップクラス、有効求人倍率も最低で、基幹産業は農業である。都会のようにバイト先を簡単に見つけられるわけではないのだ。そこらじゅうにコンビニやファミレスがあって、バイト先には困らない都市とは違うのである。結果的に「南の島のホームレス」になってしまうのである。もっとも寒さに耐える必要がないのでホームレスライフといえども大阪や東京よりは快適かも知れないが。

　どんなにパラダイスであろうと、どんなに物価が安くて豪邸が建てられる恵まれた条件があろうと、オレは絶対に石垣島には住めない一つの理由がある。それはスカパーだ。３年前にスカパーを申し込んだとき、説明書にはなんと「石垣島では受信できない」と書かれていたのである。日本のどこに住んでいてもプロ野球で阪神戦が見られるのはスカパーのおかげだ。その楽しみを奪われるのなら、そんな土地にはオレはとても住めない。野球が見られないのにそれでもみんな移住するのか？信じられないぜ。

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