2005年03月10日(木) |
そのミイラを、詐欺罪で訴えろ! |
携帯用URL
| |
|
107歳で兵庫県最高齢男性のはずだった金岡久次郎さんが、実はかなり昔に死んでいたことが判明して大騒ぎになっている。死体があまりに古くて、5年前なのか10年前なのかもわからないほどである。昨年9月に伊丹市長が訪問したときは「元気だから」と面会を断っていたという。さすがに「死体だから」とは言えなかったのだろう。ただ、遺体は丁重に扱われていたので死体遺棄容疑ではなくて軽犯罪法違反(死亡届提出義務違反)で警察は事情聴取しているという。
死んだ金岡さんは長男(75歳)、次女(79歳)、四女(72歳)と4人暮らしだった。この3人は「父は生きていた」と話していて、枕元には食事やタオル、お守りなどが整然と置かれていたという。1999年に伊丹市最高齢と認定された時にも市長は面会を断られているわけで、このときすでに死んでいた可能性は高い。いや、実際はもっとはるか昔に死んでいたのかも知れない。取材に答えた近所の人が「最後に逢ったのは30年くらい前」と語っていたからだ。
さて、ここで問題なのはこのミイラになった金岡さんに対して、ずっと敬老祝い金や老齢福祉年金が支払われていたことである。祝い金は73歳以上のお年寄りには1万、100歳以上には3万円となっていて、支払総額は30万円に上るという。また、老齢福祉年金は年間40万円前後であり、10年前に死んだとすれば400万円がミイラに対して支払われたことになる。なぜ家族が死亡届を出さなかったのか。うがった見方かも知れないが、無職の老人一家にはこのゼニが貴重な収入源だったという可能性もある。兵庫県社会保険事務局は時効になった分を除く過去5年分の返還を求めるという。だったら「軽犯罪法違反」じゃなくて詐欺罪を適用すべきじゃないのか。死んだことを隠して年金や祝い金を詐取していたのならかなり悪質だ。いくら老人一家といっても容赦なく検挙して、返還できなければあの広い家屋敷を叩き売って弁済すべきだろう。もしもそれが生前の本人の意志だったら、被疑者死亡はしかたがないにしてもそのミイラを詐欺罪で訴えるべきである。もっとも死体を収監するわけにもいかないが。
しかし、この年金、生きていれば永遠にもらえるわけだ。だったら受給者(金づる)の老親が老衰で死にそうになったら、どこかで代わりの元気なホームレスの老人を探してきて、そいつを替え玉にすればいつまでももらい続けることができるわけである。そうして何人か替え玉を繰り返しているうちに、いつのまにか息子よりもその替え玉の方が若くなっていたりして。まるで落語だぜ。
前の日記 後の日記