2005年02月22日(火) |
昭和元年に6月1日は存在しない! |
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盗難通帳による預金の引き出しを防ぐにはどうすればいいのだろう。オレも実は2年前に車上荒らしに遭ってカバンを盗まれ、預金通帳と印鑑を奪われたのですぐに銀行に電話して通帳を無効にしてもらったことがある。盗っ人の方もすぐにバレることを恐れたのか現金以外には手をつけなかったようだった。通帳と印鑑がそろっていれば銀行はほとんど無条件に引き出しに応じるというから危機一髪だ。被害に遭った時間が14:50頃、犯人はすんでのところで引き出しが間に合わなかっただけかも知れない。
2003年6月に自宅で通帳と印鑑を盗まれた女性が、その日のうちに東京三菱銀行の支店で普通預金850万、翌日に定期預金600万円引き出されるという被害に遭った。引き出しに来た女性は身分証明に健康保険証を提示した。その生年月日欄には『昭和1年6月1日』という日付があったという。窓口の行員はその日付になんの疑問も抱かずに定期預金の解約に応じ、600万円を払い戻したのである。昭和元年は12月からであり、そんな日付はない。
普通預金なら印鑑と照合して簡単にゼニを出してくれるのだが、定期預金はかなり厄介だ。一度オレは事情があって母親に定期預金の解約に代わりに行ってもらったことがある。本人じゃなかったのでかなり不審に思われ、オレのところにまで確認の電話が掛かってきたくらいだ。ところがこの支店では明らかに不審なニセ保険証を見破れずにあっさりと支払ったのである。そこまで今の窓口行員はボンクラなのか。
オレはこれまでに窓口で何度か高額の出金をしたことがある。昭和63年にクルマを買うため三和銀行富田林支店で200万出金したとき、女性行員がオレを見たあの胡散臭そうな目は忘れない。オレのような善良な市民を空き巣狙いのように疑って身分証明書の提示を求め、写真と髪型が違うのでさらにじろじろとしつこく見たのである。その一方ではいとも簡単に盗難通帳にゼニを払ってしまうのである。いかに銀行員が人を見る目がないかということだ。オレがまっとうな市民であり盗っ人野郎は盗っ人と見抜くのがプロだろう。
東京地裁ではこの『昭和1年6月1日』の過失を重く見て、定期預金の600万に関しては銀行の過失を認定して被害者への賠償を命じた。普通預金が引き出されたことについては賠償の必要を認めなかった。元号が切り替わる時期の仕組みを理解しないこのミス、おそらくどこかの馬鹿な偽造野郎が『平成1年1月1日』なんて日付の保険証をいずれ作っちまうんじゃないだろうか。
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