江草 乗の言いたい放題
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2005年02月12日(土) 両国予備校、30年の歴史に幕        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 きみは両国予備校を知ってるか?1991年のピーク時には生徒数5000人を越え、医・歯・薬受験の名門として君臨したかつての名門予備校だ。ところがネットで検索すると決して評判は良くなく、「両国(りょうごく)」ではなくて「牢獄(ろうごく)」だと書かれていたりしたのである。では、なぜ牢獄と呼ばれるのか?それはこの両国予備校が、ただひたすらに暗記することと長時間の学習を強制することで、たいした素質もない普通の受験生を医学部合格に導いてくれる奇跡の予備校だったからだ。

 入学が決まるといきなり英単語集が渡され、「開講までにこの単語を全部覚えろ!」とノルマが課せられ、寮にはマンガを持ち込んだり音楽を楽しむことは禁止で勉強以外のものをすべて切り捨てて合格に向かって邁進する。自主性のないヘタレにはもってこいの予備校なのだ。寮費を含めた年間授業料は確か200万円を越えていたはずである。新聞には合格体験記で埋まった全面広告が掲載され、なぜか山本陽子がCMに登場していた。

 しかし、素質のない生徒だけでは、いくらスパルタ教育をしても合格実績をあげることはできない。どんなに時間を掛けて勉強してもいつまでたっても馬鹿のままのサル以下の受験生もいる。真偽のほどはわからないが、実は寮費や授業料を軽減(免除?)される一握りの特待生が存在し、彼らが合格の実績を稼いでいたというウワサもあった。

 その両国予備校がついに閉鎖されることとなった。少子化の影響と、大学総アホ化現象でどんなアホでも入れる大学が用意されたことで浪人生は激減し、1990年代前半には35万人いたという浪人生が今は13万人あまり、文部科学省の推計では2008年にはさらに減少して2万4000人に減るという。その中で駿台、代ゼミ、河合塾の大手三大予備校は生き残りを掛けて少ない生徒を奪い合ってるのだ。これでは他の弱小予備校はとても生き残れないだろう。

 オレは予備校に通った経験がないので予備校を評価する資格はないのだが、いい講師のすばらしい授業に出会ったらどんどんわかるようになると錯覚してる馬鹿は他力本願過ぎるぜ。そういう馬鹿に限って高校では授業中にマンガ読んでたり寝てたりするんだ。学校が三度の食事なら、塾や予備校はスナック菓子だ。主食でちゃんと栄養をとらずに出された料理をみんな残飯にしてしまった馬鹿が、サプリメントでせっせと栄養の帳尻を合わせても無理があることは誰にでもわかるだろう。

 有名講師を集めるのでもなく、効率的な学習方法を伝授するのでもなく、「長時間ただひたすら勉強する」という愚直なスタイルで頂点を目指した名門予備校が撤退することは残念なことである。馬鹿でも全員大学に入れる以上、もはや「牢獄」に受験生をつなぎとめることは無理なのかも知れない。


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