2005年02月08日(火) |
マンガに埋まって死にかけた男 |
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本はかなり重い。学生の時に引っ越しのバイトをしたことがあるが、仕事先がたまたま大学の教員の夫婦で、段ボール箱に無数にある本の重さに腰が悲鳴をあげたことがあった。我が家にも大量の本があるが、鉄骨造りの書庫に収納されているので本の重さで床が抜けるという心配は無用だ。おかげで本は増える一方である。今は青空文庫という便利なものがあるし、ネットで検索すれば新刊の小説でない限りたいていのものが読める時代に、かなりの場所を占有する本を所有する意味が果たしてあるのかと最近オレは疑問に思うようになり、少しずつ処分しているのだが、それでもちっとも減った気がしない。
東京都豊島区の古い木造アパートの2階で2月6日の夜、大量の雑誌をため込んでいた男性(56歳)の部屋の床が抜け、男性が本と一緒に1階の部屋に落下、雑誌などの間に完全に埋まってしまい約2時間後に救出されるという事故があった。男性は本に埋まって全身打撲で重傷だという。もしも下の部屋に人がいれば雑誌に押しつぶされていたところだが、幸いなことに1階に住む無職男性(75歳)は「上の部屋の床が抜けそう」と警視庁目白署に相談に行っていたため無事だった。虫が知らせたのだろう。わざわざ警察に相談に行くくらいだから、素人目にもよほど危険に見えたにちがいない。考えたら怖ろしい話である。就寝中に崩れていたらおそらく命はなく、地震などが起きていてもひとたまりもなかっただろう。
事故の一報を受けて消防庁からレスキュー隊が駆けつけたが、本で埋もれた部屋からは男性の声だけが聞こえたという。2時間かけて小型カメラのついた棒で居場所を探ってやっと救出に成功した。
雑誌は昭和50年代からの「週刊プレイボーイ」「サンデー毎日」や「少年ジャンプ」などで約30年分ということになる。それ以外にもアイドルの写真集などもあり、重さにして6トン、救出の際に取り出した分だけでも高さ約50センチ、幅約30メートルに広がるほどだったという。マンガは単行本の形になれば読みやすいし分類や保管も楽だ。雑誌そのままの状態だとかなり場所を取るだけではなく、あの再生紙の紙はかなり劣化して変色してしまってるのではないだろうか。それを防ぐためにはビニール袋で密閉して保存する必要があるが、そうなると今度は読めない。
我が家にも大量の「サイクルスポーツ」(八重洲出版)という雑誌があって、捨てるに捨てられずにヒモでくくって書庫の隅っこにある。小説を執筆する時の資料として保管しているのだが、なんとかならないものだろうか。誰かCD化してくれ!
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