2005年01月31日(月) |
瞳を閉じて、議員の多さにあきれる |
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2004年8月1日、長崎県の五島列島にあった福江市、奈留町、三井楽町、岐宿町、冨江町、玉之浦町の5町1市が合併して五島市が誕生した。平成16年12月末日現在の人口は47,622人である。ただこの合併の際にもとの自治体の町会議員、市会議員はすべてそのままの身分が保障され、報酬はもっとも高い福江市に合わせることとなった。その結果議員数は91人になり、旧町議69人の報酬は月額で1人10万5000〜12万5000円引き上げられることとなった。人口5万足らずの市に議員が91人というなんとも馬鹿げた状況になったのである。
これに対して市民団体が反発し、議会側は昨年10月に「一年後の2005年秋に自主解散する」と申し合わせた。なんとか一年間は報酬をもらい続けようと姑息なことを考えたのである。だが、市民団体は容赦せずに議会の即時解散を求め、有権者の半数を上回る約2万2000人の署名を集めて昨年12月に住民投票を請求した。一方既得権を逃したくない居座り議員達は「新市の道筋をつける時期に議会が解散すると、旧5町の意見が反映されなくなる」と訴えた。中には良心の呵責を覚えるまともな議員も居て、1月14日には12人が一斉に辞職するなどで現在では77人に減っていた。
1月30日に実施された住民投票の結果、議会解散に賛成23269票、反対2627票と、賛成が圧倒的多数を占め議会は即日解散した。40日以内に定数26での出直し市議選が行われることになる。市町村合併にオレは基本的に反対の立場だったんだが、もしも合併しなかったらこれだけ大量の地方議員がそのままいたということである。それを減らせたという意味では合併にもそれなりに意味はあったということになるのかも知れない。
ちなみに旧奈留町にある奈留高校は、昭和49年に当時在学中だった藤原あつみさんがラジオの深夜番組で「私たちの校歌を作ってください。」と投書し、それに応えて荒井由実(松任谷由実)さんが奈留島の海や山のイメージを詩に託した「瞳を閉じて」という曲を作ってくれたことで有名である。ただ悲しいことにこの素敵な曲は「校歌らしくない」ということで結局は採用されず、愛唱歌として歌われることとなり、奈留高校の校庭にはその幻の校歌「瞳を閉じて」の歌碑がたっている。歌碑が完成したときには、松任谷由実さんも忙しいスケジュールの合間を縫って駆けつけたという。その町の名がなくなるのは少し惜しい。
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