2004年12月27日(月) |
ぼ、ぼ、ぼくらはニセ者募金団! |
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オレは何度か蛍光グリーンのジャンパーを着た募金軍団を大阪市内で目撃したことがある。募金嫌いのオレはそいつらにゼニをカンパすることはなかったが、ただ、動物的な勘でその集団の胡散臭さを感じていたのである。それで少し離れた所から募金連中の行動をそっと観察したり、カンパする気もないのにあれこれ質問してみたりして探りを入れたこともある。「もしかしたら、このゼニは全然関係ないところに使われてるんじゃないのか?」しかし、集団のそばには、どうみてもその筋の人としか思えない人相風体のオッサンが、ちゃんと募金をしているかどうかを監視するように立っていた。質問するオレに向かってそのヤクザが
「兄ちゃん、ワシらのやってることにあんたケチつけるんか?」
と迫ってきたとき、オレは身の危険を感じて「いや、いいです」と手でさえぎって逃げた。下手したら殺されていたかも知れない。
例えば難病の人にアメリカで手術を受けさせようとして募金が始まる。その募金が成功すれば必要以上の大金が集まり、関係者は高級ホテルのスイートルームに泊まったりしながら豪華な手術ツアーに出かけたりする。すべてがそんな胡散臭いものだとは言わない。しかし、世の中には善意につけ込むド外道がいることもまた事実なのだ。
この蛍光グリーンのジャンパーを着た募金活動軍団の名は「NPO緊急支援センター」で、秋くらいからオレは目撃しているのだが、普通こういう連中が配布する活動報告の宣伝ビラがない。どこにいくら募金しましたとか、現地でこういう活動をしましたとか、そんな具体的なことは何も説明されず、ただ要求は「ゼニをくれ!」だけなのである。これではただの乞食である。
ところがタイムリーにも毎日放送のニュース番組「VOICE」で、仰天モノの彼らの正体が暴かれたのだ。オレはあまりにも予想通りの展開にテレビの前で大爆笑してしまった。番組によると、この募金軍団は求人雑誌で時給1000円という条件でかき集められて、アルバイトとして街頭募金をさせられていたということらしい。募金が1時間で1000円以上集まれば、それが雇い主の利益になるという仕組みだ。
実際は難民の支援活動なんて全然せず、集まったゼニは全額組織のフトコロに入っていたとしたらひどい話である。また仮に支援活動を行ったとしても、集まった金額の一部だけを支援にまわし、残りを自分たちが使ってしまえばそれもやっぱり詐欺みたいなものである。番組では、この募金活動を主催する中年のオッサンが、一攫千金を狙って起こしたオオクワガタ養殖事業の失敗などによる借金の返済のためにやっていたと暴いていた。全く馬鹿げた話である。いわゆる「募金サギ」なのだ。これって何らかの法律に触れないのか?
NPO法人の中には怪しいモノがかなりある。ある大阪のヤクザがホームレスをかき集めて広島県の病院に入れ、その患者分の生活保護を申請してフトコロに入れるという事件があったが、そいつらも実はNPO法人の形をとっていたのである。いっそオレもNPO法人をでっち上げようか。「江草乗を大阪府知事にする会」でも作って、時給700円で学生を雇って街頭募金させ、集まったゼニを株式投資でさらに増やしてその軍資金で選挙に打って出るとか。いやはや、なんでもありの世の中だからなあ。
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