2004年12月23日(木) |
日本一の投手の値段はいくらだ? |
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プロ野球・元大阪近鉄バファローズのエースだった岩隈久志投手(23歳)が合併球団のオリックス・バファローズ入団を拒否していた問題で、同球団の小泉隆司社長は22日、オリックスへの入団説得を断念し、岩隈投手を本人の希望通りに東北楽天ゴールデンイーグルスへ金銭トレードすることを決めたという。
少なくともオリックス側には「合併したらあの岩隈を取れる!」という姑息な意図があったことは明白で、それが失敗に終わった今回の決着は、合併そのものも失敗だったというふうにオレには受け取れるのである。もともと投手力に不安があった合併両球団で、唯一勝ち星の計算できる投手だった岩隈を失ったということは、シーズンが始まる前に新生オリックス・バファローズの最下位が決定したようなものである。スンナリと近鉄を身売りさせずにエエトコ取りの合併なんて姑息なことを狙うからこうなるのだ。
ただ、気になるのは金銭トレードされるというその岩隈投手のお値段である。彼は今23歳だ。あと10年間は確実に働けるだろう。日本一の投手は松坂大輔だと言われているが、オレはそうは思わない。故障持ちでよく休む松坂大輔よりも岩隈の方がシーズンを通して勝てるからだ。2004年開幕からの12連勝の大活躍はパリーグだから注目を浴びることは少なかったが、これも大変な記録だ。単純に容姿を比較しても絶対に岩隈の方がカッコいい。松坂同様に結婚したものの女性ファンの動員力はかなりのものだろう。ところが若いせいで年俸はかなり安い。(もちろんこれからはぐんぐん上がるだろうが)これはもう値段の付けようがないのである。
楽天の三木谷社長は、メジャー最高左腕のランディ・ジョンソンを10億円のポケットマネーを使って獲得したかったようだが、そのゼニをそっくりそのまま岩隈獲得のために出してやるべきだ。球界を代表するエースを獲得するということはそれだけ価値あることなのである。巨人もフル出場が不可能な清原に4億を超える年俸を払っている。客を呼べる選手には惜しみなくゼニを出すのが球界のお約束である。
この岩隈譲渡のトレードマネー、金額が高ければ高いほど、それだけオリックスにとっては不名誉さも増す。イチローを売り飛ばした時にはファンにそっぽをむかれ、翌年からの観客が激減したのである。岩隈がいないということになれば、新生オリックス・バファローズの観客はかなり減少する。開幕直後からずっと最下位ということになる可能性も高い。そうなるともう観客動員は全く期待できない。1000人以下ということだって起きるだろう。実際、今季のオリックスはあまりにも観客が少ないので水増し発表していたが。その数をも下回る気がする。そもそも合併球団のファンなんているのか?
岩隈の値段は、来季以降の入場料収入の損失補填分も勘案すれば10億円以下ということはありえないだろう。極端な話、来季のオリックスの赤字分全額、30億円くらいで売ってもおかしくないというのがオレの感想だ。巨人がダイエーから工藤を買ったときの裏金も20億はあったというウワサだ。若い岩隈が30億ならかなり妥当な金額に思えてしまうのである。
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