2004年12月07日(火)

コンドーさんは怒ってます！

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　男性用避妊具は普通なんと呼ばれているのだろうか。「コンドーム」と呼ばずに隠語で呼ぶことが多いはずだ。ゴム製品と呼んだり、お帽子さんと呼んだり柳生のサック兵衛と呼んだり、もっと単純な時はただアレと呼んだりするそうだが、もっともポピュラーな呼び名は実は「近藤さん」である。これはよくある姓である。こんなものの代表にされて全国の近藤さんはおそらく大変不愉快な思いをしているはずである。ところが「コンドーム」の名称を変えろとまで断固主張した近藤さんはいなかったのである。

　一方韓国では、避妊具の暗いイメージを一新しようと、「韓国エイズ退治連盟」が愛称を公募。２万通の応募者から先月２４日、「愛するときに必要なもの」を意味する「愛必（エピル）」を最優秀作に選んだ。だが、同名の「愛必さん」や、漢字表記が違う同音の「エピルさん」たちが「名誉棄損」と一斉に反発、使用中止を求めた。「エピル」は女性の名前にしばしば使われるという。そういうわけで公募はやり直しになったのである。このあたり、韓国と日本の考え方の違いがわかって面白い。日本ではそういうことを抗議することを「大人げない」と考える人が多いわけだが、韓国では恥ずかしいと思えば断固抗議するわけである。

　さて、「コンドーさん」以外に我々の周囲で、性に関することばと人名や固有名詞が類似する例はないだろうか。オレは以前に「岡下（おかした）」くんという若者が、「（女を）犯した」くんと冷やかされてるのを目撃したことがある。これは固有名詞が動詞＋助動詞とたまたま同音だったという悲劇である。京都大学の時計台のある建物は主に法学部と経済学部が使用したために「法経（ほうけい）館」と呼ばれ、そこにある教室は「ほうけい１番教室」「ほうけい５番教室」などと呼ばれていた。そこで学ぶ学生全員がある状況に陥ってるようでなんだかおかしかった。東京都には青梅（おうめ）市という地名があるのでてっきりオレは青梅高校という学校が実在すると思って、その略称が高校野球の応援などで「フレーフレー、○○高」と連呼されるのを恐れていたのだが、実際は青梅東高校しかないと聞いてかなり安堵した次第である。

　ところでその「コンドーム」だが、「今度、生む」（だから今回は避妊するんだ！）という意味に理解するのなら、なんと奥ゆかしい言葉だろうかとオレは感動してしまうのである。コンドームは戦前、「衛生サック」などと呼ばれていたらしい。おそらく避妊よりも性病を予防する効果の方がメインに考えられていたのではあるまいか。高校生に性感染症が蔓延し、性体験のある高校生の一割がクラミジアに感染している今、その名称も復活させて「Ｈのときは必ず衛生サック」ということを若者にもっと心がけてもらいたいものである。

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