2004年11月29日(月) |
ドラクエ8、オレの時間を返せ |
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11月27日(土)、超人気ゲームソフトの「ドラゴンクエスト8」(定価9240円)が全国で一斉発売された。前作から4年ぶりで待ちわびたファンは朝7時の発売開始を待ちわびて、一部の店では徹夜で行列する者もいたそうだが、ほとんどが予約販売になっていて、土曜日は学校も休みだったためさほどの混乱は起きなかった。以前にはこのゲームソフトを手に入れた小学生を待ち伏せて暴力で奪い取る「ドラクエ狩り」という事件まで起きたが、今回はそうした報道は今のところない。
12月には任天堂の「ニンテンドーDS」、ソニーの「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の2つの携帯ゲーム機が発売されることになっており、この冬のゲーム業界はかなりの活況となりそうである。
「ドラゴンクエスト」は1986年に第1作が発売され、今回が8作目。過去のシリーズは2004年9月末までに累計3591万本を出荷し、ゲームソフトの中では不動の1番人気を誇っている。今回のドラクエ8は400万本の出荷が予想されるという。値引き販売されて一本8500円としても売り上げは340億円になる。発売元のスクウェア・エニックスの2004年3月期の売上高は514億円だから、販売戦略上いかにこのソフトが重要かがわかるだろう。
さて、我が家にもちゃんとプレステ2が存在し、このゲームも実は予約販売で今日手に入っている。問題はこれをプレイするには膨大な時間が必要だということだ。おそらく、27日の朝7時に手に入れたヤツの中には、それからオレがこのコラムを書いている今この瞬間に至るまで41時間ぶっ通しでやり続けてる馬鹿がいるはずである。あまりに面白いために多くの人が寝食を忘れてのめり込む、いわば麻薬のようなゲームだからだ。
その証拠にこの週末、近隣のゲームセンターや大阪・日本橋の電気街などの人通りは異常に少なかった。おそらく秋葉原も同様だったのではないか。いつもの土日は行列ができるほど盛況のメイド喫茶も今日はたぶん空いていただろう。ドラクエ8をプレイすることは、オタクたちの歪んだ性の快楽を上回るほどの魅力があるのかも知れない。
しかしこのドラクエは代を重ねるごとに難しくて時間が掛かるシロモノになっているのである。今回の8の場合、エンディングを迎えるまでにいったい何十時間かかるのだろうか。日本中のゲーマーたちがこのゲームのために奪われる時間を合計すればとてつもない時間になる。仮に100時間かかるとして、400万本を掛ければ4億時間、時給700円として2800億円分の時間がこの娯楽のために無為に費やされ、中学生高校生なら貴重な勉強の時間を失うのである。これは国家にとって大きな損失である。
せっかく買ったものの、オレにはこの100時間を捻出する余裕がない。ああ。どうすれば時間が生み出せるだろうか。わざわざゼニを出してこうして時間を失うのは、考えればかなり不毛の行為なのかも知れない。
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