2004年10月21日(木) |
毒まんじゅうを喰わせた男 |
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鉄道株は比較的値動きが少ない。阪神が連勝したら暴騰する阪神電鉄株なんてのは例外中の例外である。その安定性ゆえに、高利回り+株主優待の乗車券といった特典も含めて、その沿線の方が定年退職後に資産として購入したりするのである。西武鉄道株もその一つであった。2003年7月3日には高値1754円をつけていたのだが、その後徐々に株価は値下がりしていた。それでも今年の5月にはまだ1400円台にあったのである。
ところが堤義明前会長がグループ会社の保有株比率を虚偽記載した問題が明るみに出たとたん、株価はぐんぐん下がった。一時はストップ安を続け、昨日10月20日の時点で548円、10月8日の終値1112円の約半額まで売り込まれたのである。今後証券取引等監視委員会の告発や場合によっては上場廃止もありうるわけで、その株を大切な資産として保有していた人にとってはまさに青天の霹靂なのである。
この暴落した西武鉄道株、いわゆる毒まんじゅうを、なんと堤義明は問題公表前の9月中旬から下旬にかけてキリンビール、キリンビバレッジ、サントリー、サッポロビールの飲料メーカー4社を含む20社余りに相対取引で売却していたことがわかった。キリンは西武鉄道株を約200万株、20億円程度で購入しており、サントリーは260万株を30億円弱で購入させられたという。
いずれも今回の値下がりでその半分が失われたわけである。(紙切れになることも考えられるからまだまだ損害は拡大するのだが・・・)これらの飲料メーカーはどこもホテルや球場への納入業者である。今後の取引のことも考えると断れないという相手の弱みにつけ込んだ押し売りだったわけだ。
焦って押し売りした理由は「大株主の上位10人と役員の持ち株比率が80%を超えると上場廃止」という東証の基準を満たすためだったわけだが、もちろんそんなことはバラすわけがない。それにしてもなんと卑怯な男だろうか。もっとも大資産家のくせに長者番付には登場しなかったことから考えて、こいつの卑怯さはもともと筋金入りである。
さて、堤義明はどんな罪で裁かれるのだろうか。証券取引法違反ならどうせ罰金刑だろう。どうせなら詐欺罪で立件して欲しいモノだぜ。そんなことより哀れな個人株主に対してきちっと賠償してやれよ。上場廃止なんてことになれば株券も紙切れだぜ。数千億とかいうおまえの私財をなげうって、個人株主の所有する分を全部暴落前の時価で買い上げてやれ。それくらいの償いはしてやれよ。
しかし、こんなオイシイ話をどうしてオレにだけこっそりとメールで知らせてくれなかったんだ。わかってれば全財産をつぎ込んで暴落前の西武鉄道株を空売りしたのに・・・
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