江草 乗の言いたい放題
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2004年09月02日(木) 噴火が怖くて登山ができるか!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 気象庁は9月1日午後8時過ぎ、群馬・長野県境の浅間山(2568m)が噴火したとして、臨時火山情報を出した。大きな爆発音と広範囲に噴石があったが、山頂付近には雲がかかっているため、噴煙の高さは今のところ不明である。気象庁では、地震活動レベルを0―5の五段階に分類しているが、今回の噴火を受けて、浅間山の活動レベルを2(やや活発な火山活動)から3(小、中規模噴火活動)に引き上げた。

 浅間山周辺では前日の8月31日午後3時ごろから火山性地震の発生回数が増え始め、この日が116回、1日は午前11時までに129回の地震が観測されていた。午前10時の段階では、噴煙は白色で高さは200メートルだった。

 実はオレは学生の時に、浅間山の火口を覗いたことがあるのだ。噴煙が吹き上げるその火口をのぞき込むというほんまモンの命知らずだったのである。オレは大学の三回生の秋、下宿が近所だった同志社大学の友人と一緒に信州を旅行した。軽井沢からクルマで峰の茶屋まで登り、そこにクルマを停めて、二人で山頂目指して歩き出した。火口から4キロというところで「登山禁止」という立て札があった。そこから先は火山活動が激しいから危険だという意味だ。ところがオレたちのすぐ後ろから外国人と思われる4人組が登ってきていたのである。彼らは立て札を指さしてオレに説明を求めた。そこでオレは

「Don't climbing! It's dangerous zone.」

 と説明した。すると彼らは肩をすくめて、もう一度立て札を指さして「ニホンゴ、ワカリマセーン」と言ってそのまま登りはじめたのである。

 ここでオレが名誉ある撤退を選択するなら、日本男児は全員臆病者だと思われるかも知れない。オレは友人と顔を見合わせて、外国人のグループに負けじとスタスタ歩き出した。すぐに追い越してオレたちはずんずん火口に近づいた。

 石ころだらけの山頂は荒涼たる風景だった。天気が良かったので周囲見渡す限りの雄大な展望の中で、オレたちは火口をのぞき込み、噴煙がわき出る巨大な穴を見つめた。それは地球の奥底にまで通じている神秘の穴だった。もしもその瞬間に浅間山が噴火していたら、オレたちの命は一瞬にして失われただろう。たとえ火口からわずかに離れていたとしても、噴石を逃れるすべはなかっただろう。今思うとなんと命知らずの登山だったのかと思う。幸いに噴火することはなかったので、オレたちは無事に下山することができたのだが。

 あれ以来、オレは二度と活火山には登ったことがない。


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