2004年08月25日(水) |
届かなかった金メダル |
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今回、金メダルラッシュのアテネ五輪の中で、もっとも金メダルを期待され、またそれだけの必勝体制でのぞんだ種目と言えばもちろん野球である。そのために各チーム2名ずつの主力選手を派遣し、国内プロ野球を犠牲にしてまで「金メダルを取る」こと以外考えなかったのである。
しかし、予選リーグで日本はオーストラリアに9−4で完敗した。この敗戦を「たいしたことない。次にやれば勝てる」とみんな無視していた。「オーストラリア強いで。やばいんちゃうの」と思っていたのは日本国民の中で心配性のオレ一人だけだったかも知れない。それほどみんな日本の強さを確信していたのだ。
準決勝の組み合わせは、予選1位と4位、2位と3位である。予選を1位で通過した日本は、予選4位になった国、つまりオーストラリア−カナダ戦の敗者と準決勝で対戦することになった。ここでオーストラリアは卑怯な戦略を用いたのである。つまりこういうことだ。
「もしも3位になったら準決勝でキューバとやらないといけない。そこで負ければ3位以下になってしまう。しかし、予選4位になって準決勝で日本と当たることになれば、前の試合同様に十分勝ち目がある。リードしてウィリアムスを出す展開になれば必ず勝てる。」
オーストラリアはカナダ戦でわざと負けるために主力選手をはずし、案の定0−11の大差で敗れた。ただがむしゃらに勝つことしか考えなかった日本と、勝つべき試合をちゃんと弁えていたオーストラリアの違いがそこにあったのである。
オレはテレビの前で準決勝を観戦しながら、必死で日本チームを応援していた。その願いも空しくオーストラリアに先取点を入れられた時、なんだかイヤな予感がしたのである。これは長年最下位の阪神を応援し続けたオレだから感じることのできる動物的な予感である。7回裏2死一、三塁のチャンスで打者は藤本、そこでオーストラリアは阪神のウィリアムスに投手交代した。こんなところで阪神の選手同士の対決になったのだ。藤本は力ない内野フライを打ち上げて凡退、チャンスは一瞬にして消えた。阪神ファンのオレは、ウィリアムスの見事な復活ぶりに頭を抱えていた。
「なんでや?なんでこんなときに活躍すんねんや?」
奇しくも最後の打者は夫婦で金を目指している谷だった。ここで起死回生のホームランをかっとばして土壇場で同点に・・・という願いも空しく内野ゴロに倒れてゲームセット。最強の布陣で臨んだはずの長島ジャパンは結局金も銀もとれなかったのである。予選リーグのあの試合でオーストラリアに大敗しなければ、きっと流れは変わっていたはずである。あの試合で打たれたのはいったい誰だ。オレは思い出した。あの試合でオーストラリア打線に火をつけたのはまぎれもなく阪神の安藤だった。
やっぱり、阪神の選手のせいだったのか・・・
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