2004年08月24日(火) |
おまえの借金はおまえが返せ! |
携帯用URL
| |
|
関西空港の対岸に、泉佐野市という破産寸前の自治体がある。関空特需をあてこんでいっぱい借金をして余計なモノを造りまくって1400億円も借金を増やしてしまい、そのまま沈没しかけている哀れな自治体である。
この市はあのヤクザに秘書の給与を払わせていた松浪健四郎のお膝元である。彼はその借金の元凶になった数々の公共工事の談合を一手に仕切っていたというウワサもある。いずれ水没して日本三大馬鹿公共事業と呼ばれることが確実の関西空港がらみの工事でこの男はいったいどれだけ稼いだのだろうか。もっとも日本中至る所でこんな現象が起きているわけだが。
その泉佐野死・・・じゃなかった泉佐野市が究極の打開策として打ち出したのが、周辺の2市2町(泉南市・阪南市・田尻町・岬町)を巻き込んで合併して南泉州市となって、自分のとこの借金を他の自治体にも背負わせてしまおうという荒技だった。これはカード破産しかけている女がその秘密を隠して結婚して、何も知らない夫に借金を背負わせるのと同じである。
そんなカラクリがわかっている他の市や町の住民はもちろん反対に回った。8月22日、合併の是非を問う住民投票が行われた。その結果、岬町だけは合併賛成票が上回ったが、他の二市一町では合併反対派が多く、特に田尻町などは賛成444票に対して反対はその8倍の3583票もあったのである。この結果、合併協議は白紙にもどることとなった。
田尻町は他の自治体と違って関空をあてこんんだ大規模な公共事業を行うこともなく、逆に固定資産税の増加によって比較的健全な財政を維持していた。そのため、合併による行政サービスの低下や、各種公共料金の値上げというはっきりとしたデメリットが住民に嫌気され、この投票結果につながったと見られる。
今、日本の各地で進んでいる市町村合併の動きに対して、合併反対派を「利権にしがみつく」連中と否定的に見る人たちが多い。確かに田舎議員の中にはそういう連中もかなり居るはずだが、合併に賛成する連中もまた、どさくさに紛れて自分たちのこしらえた借金をチャラにしようという悪巧みをしているのである。大切なのはどこも決して住民のために合併するのではなく、地方議員も首長も自分たちの目の前の利益だけ考えて行動していることである。とりあえず今後10年間交付税をカットされないというエサに釣られてどんどん合併してるだけだ。はっきり言ってその先のことなど何も考えていないのだ。
合併協議が白紙に戻った泉佐野市が次に打つ手はなんだろう。財政再建団体転落を目前にして、どんな窮余の一策を繰り出すのだろうか。オレはそれが知りたいのである。いや、本音を言えば自治体破産という悲劇を一度見てみたいのである。
前の日記 後の日記