2004年08月26日(木) |
わたし、拳銃が欲しいわ |
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赤川次郎原作の映画『セーラー服と機関銃』で薬師丸ひろ子が機関銃をぶっ放したのは1981年のことである。あれから23年、あのときの美少女は結婚、離婚を経てすっかり熟女になり、昔の面影はどこにもない。実際はあれは映画の中の話であり、現実に女子高生が機関銃をぶっぱなしたわけではないのだが、今や女子大生が拳銃を密輸する時代になったのである。
タイから短銃を密輸したとして、大阪府警は8月25日、名古屋市の名古屋芸術大学4年、中西幸代容疑者(21歳)と東京都足立区、無職富川晶宏容疑者(35歳)を銃刀法違反と関税法違反容疑で逮捕したと発表した。中西容疑者は「家族と折り合いが悪く、家族の目の前で銃を使って自殺したかった」と供述している。自分が死ぬだけならわざわざ銃を入手するまでもない。もしかしたら家族も道連れに射殺するつもりだったんじゃないだろうかと思ってしまうのである。
中西容疑者は4月に銃を買うためにタイに行ったが手に入らず、入手方法を求めて利用したインターネットの掲示板で知り合った富川容疑者に今回依頼したという。2人は6月21日、パソコンの中に短銃1丁と実弾4発を隠し、タイから中西容疑者宅あてに国際宅配貨物を送って密輸した。その荷物は関西空港に到着し、大阪税関の関西空港税関支署が通関検査で見つけたという。
この銃と実弾は現地で富川容疑者が入手し、計105万円で中西容疑者に売ったそうである。まさか銃一丁と実弾四発がタイでそんなに高いわけがないだろう。いくら入手困難なものであるとしてもこの値段はぼったくりだ。せめて銃は30万、実弾は一発2万円くらいにすべきである。
富川容疑者は数年前からタイに渡ってミリタリーグッズの販売や銃の試射ツアーを主催していた。中西容疑者は「富川がほかに2丁持っていたのを見た」とバラしている。オレが驚いたのは、宅配貨物のパソコンの中に隠してあった拳銃を税関職員が発見したということだ。大量の国際貨物をすべて検査してるのなら大変な労力である。あるいは胡散臭いものは勘でわかるということだろうか。実際パソコンの筐体の中はかなりすき間があるので、麻薬や覚せい剤を密輸することは可能に思える。拳銃も、小さいものならきっと隠せるだろう。(しかし見つかればもう逃れようがない。)
公務員の不祥事が連日のように報告されるわけだが、こうして立派に職務を果たしている者もちゃんといるのだ。日本の治安を守るために奮闘する税関職員にオレは天晴れと言いたい。
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