2004年08月13日(金) |
人をひき殺しても反省しない男 |
携帯用URL
| |
|
交通事故に関する罰は軽い。人を死なせても実刑にならないことも多い。飲酒運転で人をはねて死なせるという殺人罪に等しいような行為に対しても、つい最近までは「業務上過失致死」で最高刑は5年だったのだ。もっともその行為に「未必の故意による殺人罪」を適用しなかったのは単なる裁判官の認識の甘さゆえだとオレは思ってるが。
「危険運転致死罪」が設置されてやっと罰が重くなったが、それでも死刑にはできない。もしもオレの身内が飲酒運転野郎にひき殺されたら迷わず死刑を要求するぜ。
交通事故の業務上過失致死罪で懲役2年、執行猶予5年が確定した東※誠(29歳)(※=堅の臣を田に置き換えた漢字)という男がいた。そのままなら彼は刑務所に行かなくてもよかったのである。執行猶予がついたということは、被告が被害者への賠償などを果たし、反省や謝罪の気持ちが強いと裁判官が判断した上の判決であったと考えられる。
しかし、この男の反省はただの見せかけだったのである。それはこの男が、ネット上でこの被害者の両親に対して「うるさい奴ら」等の中傷の書き込みを行ったことで明らかになった。ネット上での中傷に対して科せられるのは通常は罰金刑程度である。しかし、この男の中傷はかなり悪質だったということと、しかもそれは執行猶予中に行われたという2点が今回は考慮された。
被告の名誉棄損罪に対して、最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は8月11日までに、被告側上告を棄却する決定をして懲役1年4月の実刑とした1、2審判決が確定した。同被告は交通事故の業務上過失致死罪では懲役2年、執行猶予5年が確定していたため、執行猶予が取り消され、計3年4カ月の刑を受けることになる。
この判決が画期的なことは、人を殺しても反省しなかったというその行為に対する罰であることだ。反省しない人殺しはこの世に大勢いる。強盗殺人や強姦殺人などの犯罪を犯しても平気で出所してまた同じ行為を繰り返す連中がいるわけで、彼らには反省という能力はない。この世でもっとも反省という行為から遠い場所にいる人間の代表といえばそれは政治家だと思うが。
前の日記 後の日記