2004年08月03日(火) |
腐ったミカンを買う人たち |
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オレには納得のいかないことが一つある。それはとてつもなく劣悪な環境の場所に建てられた家を購入する人間の存在である。たとえば交通量の多い道路の信号の近くにある猫の額ほどの敷地の建て売り住宅を買う人間が存在する。一日のほとんどの時間、玄関ドアの前には信号待ちのクルマがアイドリング中で排気ガスを出しながら停まっている。交通が激しいからオモテで子どもを遊ばせることもできない。しかも、自分の家の前にクルマを停めることさえ困難なほどそこは交通量が多い。そんな場所に建てられた家でも、なぜかすぐに入居者があるのだ。どうしてそんなものを買うのか。
たとえば果物屋でミカンを買うときに、わざわざ腐ったミカンを買う人はいないだろう。値段が半額でもやはり腐ったミカンは売れないだろう。この世で腐ったミカンを見捨てないのは金八先生くらいである。オレにとってそんな劣悪な住宅は腐ったミカンと同じである。誰が好きこのんで排気ガスを毎日吸わされる環境で生活しないといけないんだ。
やかましい場所も同様だ。空港の近くや線路のそばはのべつまくなしに轟音にさらされている。そんなところにオレは住みたくない。ところが好んでそこを選ぶ人間が存在するのだ。伊丹空港のそばでもどんどん建て売り住宅が販売されている。地元自治体には騒音の迷惑料という名目でゼニが支払われる。関空ができて発着の本数が大幅に減ったときは、当然のことながらこのゼニも減った。すると地元自治体は「もっと便数を増やしてください」と陳情したのである。ゼニのためなら住民が迷惑を受けてもいいのである。
騒音や排ガスにさらされるこの劣悪な住宅が、タダで住めてしかもゼニまでもらえるのなら、貧しい人間がそこを選ぶのもわかる。しかし、わざわざそんな家にゼニを払ってる人間はオレにはマゾとしか思えない。
東京都世田谷区の沿線住民らが小田急電鉄の騒音の差し止めと慰謝料を求めた訴訟で8月2日、原告203人と同社との和解が東京地裁で成立した。小田急側が騒音を24時間平均で65デシベル以下に抑え、総額4200万円の和解金を支払うことを柱としている。和解内容によれば、小田急側は梅ケ丘駅―喜多見駅間について、来年3月末までに騒音規制を実現し、その他の地域についても改良工事の進み具合に合わせて速やかに実施する。騒音を少なくするための方法としては、防音壁の設置や防音仕様の車輪・車両の導入などが挙げられたという。
線路のそばがやかましいことは子どもでもわかる常識である。小田急は1923年からそこを走っている。少なくともこの原告たちの多くが生まれる前よりも存在しているのだ。現在の住民やその親たちというのは、そこが線路のそばでやかましいことを承知の上で
「でも世田谷だから!」
と割り切って買ったのかも知れない。閑静な練馬よりも線路のそばの世田谷がいいと思ってるはずだ。そんな住民が小田急に文句を言う資格はないのである。
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